投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

246
【青春 恋愛小説】

246の最初へ 246 60 246 62 246の最後へ

11-1

病院を後にした元は、携帯を手に取った。
足取りも気分もこの前とは違う。


「もしもーし!元ちゃん?」

「うっす」

「......絢ちゃんのとこ、行った?」

「あぁ。なんかね、元気だった。無駄に」

「えっ!?」


拍子抜けしたのだろう。
それは、あの時の元も同じだ。
いや、それ以上か。


「いや、ほんとね、元気だった。無理してって感じもしたけどね」

「そっか.....でもよかった....」

「うん。よかった....」

「あ、元ちゃん。今日来るんでしょ?」

「あぁ、お邪魔しようかな」

「うん!今ご飯作ってるから、早くおいで!」

「うん、ありがとう。すぐ行くねー」


美帆には、正直に話をしないといけない。
木下と高畠二人に行った事を。


黙っていればバレることはないだろう。


しかし。


筋を通す。


美帆には嘘をつけない。

--------------------------------------

絢にサボテンを買った花屋がまだ開いていた.

呼び寄せられるように再び立ち寄った。


スタッフの男性が気付く。
覚えていたのだろう。


「いらっしゃいませー。今日、二回目ですね」

「あぁ...はい」


特に要は無い。
しかし再び来てしまった以上、何か会話を続けなければならないと思った。


「あの....花、探してるんすよね」

「どのような?」

「あー.....縁起のいいやつを」

「縁起のいいやつ....ですか?」


自分でも何を言っているのか分からなかった。
が、引くにも引けず、適当に続けた。



246の最初へ 246 60 246 62 246の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前