投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

246
【青春 恋愛小説】

246の最初へ 246 64 246 66 246の最後へ

11-5

「うん.....俺も」

「でも、約束を破ったこと自体は許せないよ。きっと、何かやらかすだろうとは思ってたけど」

「....うん...ごめん....」

「私との約束は、そんなに軽いの?」

「んなわけないよ....」

「.....絢ちゃんと誠くんの為かもしれないけど、元ちゃん達がやったことは誇れることなんかじゃないんだからね」

「うん」

「元ちゃん達がやったことで、その二人以外にも傷付いた人たちきっとたくさんいるよ?」

「うん....それも....分かってる」

「元ちゃんの気持ちも分かるよ。絢ちゃん達があんな風にされたら.....私だって仕返ししてやりたいって思うし」

「うん」

「でも、傷を付け合っても何も生まれない。傷は付けるより、癒す方が難しいんだから」

「うん」

「約束も破るのは簡単だけど守るのは難しいんだから...」

「うん...」


言いながら美帆は右手を元の左頬に重ねた。

美帆の手は震えていた。


「元ちゃん、ごめんね.....たたいちゃって.....」

「みーちゃん...」

「初めて人のことたたいちゃった.......ははっ、手が痛い....」

「..........」

「痛かったよね.......ごめんね....」

「.....癒す力ってこういうことか」

「....え?」

「ほっぺ。みーちゃんに触られてると痛くねぇの」

「...へへっ...」


美帆は両手で元の顔を包んだ。

見つめ合う。



246の最初へ 246 64 246 66 246の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前