二の交流-1
たまたま予定の空いてしまった平日の昼下がり、私は自宅アパートの一室でうなされていた。
今よりずっと若い頃にもこんなことをしていたけれど、度が過ぎたために体を壊したことがあって、それ以来あまりやらないようになった。
だけど私は台所を片付けていた手を途中で止めて、自分の内股を揉みほぐしながら、こうやって甘い息を吹いている。
シンクにもたれかかり、服の上から乳房のかたまりを撫でていく。
むずむずと押し上げて、はちきれそうな快感に眉を寄せる。
下も十分に濡れていた。喘ぎ声をぐっと呑み込み、割れ目にそっと指を差し込んでいく。
「はあっ……あうっ……」
もともと感じやすい私は、指の注入だけで上り詰めようとしていた。もっと長く楽しみたいのに、アクメの魅力には勝てなかった。
「あん……いく……ああっ……いっちゃう……あああああ……」
私は絶頂した。膣内をさまよっていた指を引き抜くと、白く泡立った愛液のすじが糸を引く。
痙攣がおさまるのを待っているうちに、もっと欲しくなっていた。
ブラジャーから逃がした乳房や乳首を練って、陰唇をめくるようにもてあそんでいく。
もう我慢できなかった。冷蔵庫の野菜室からきゅうりを取り出すと、そのまま下の口にあてがい、挿入した。
腰がくだけ、あられもなく淫汁をまき散らした。それをゆっくりと出し入れさせてやれば、ちゅっこ、ちゅっこ、とオナニーの滴りが聞こえてくる。
私は手を速めて、ふたたびアクメに身を燃やしていった。何度も達して、何度も果てた。
いちど官能の甘みをおぼえてしまった体は、なかなか大人しくなってくれそうもなかった。
気持ちいい。癖になりそう──。
そんなことが何度かつづいたある日、交流サイトに新機能が追加され、フレンド同士が大いに盛り上がっていた。
『フレンド』とはサイト内限定の友達のことで、とうぜんノブナガさんも私のフレンドの一人。
追加されたのは、『フレンドメール』という機能だった。サイト内のフレンド同士に限り、メールのやり取りができるというものらしい。
これは使えるかも、と思っていた矢先、さっそく一通のフレンドメールがオリオンに届いた。ノブナガさんからだった。
『オリオンさん、僕のメールは届きました?』
相手を確認して、私もすぐに返信した。
『ノブナガさん、ちゃんと届いてますよ。何だかどきどきしますね』
『このメールならほかの誰かに見られることもないよね。はっきり言うよ。僕はオリオンさんのことが好きだ』
彼からの突然の告白にびっくりしながら、次のメールをどうしようか悩んだ。
『私も、ノブナガさんのことが好きかもしれません』
自分の行動に自分で驚く私だった。
そんなふうにフレンドメールの交換を重ねていくうちに、お互いの顔が見えなくてもしぜんと恋人同士みたいな関係になり、ネットの中でだけなら浮気してもいいよね、と私は自分に言い聞かせた。
つまり、家庭と遊びの両立に手応えを感じていたのかもしれない。