ヘタレ男と愛玩奴隷-6
「身体も小さいし、年齢より子供だし……む……胸も小さいし……だから、魅力を感じないんでしょう?!」
「胸は関係な……」
「いいえ!幼女趣味でなければ胸は大きい方が良いに決まってます!!」
アメリアはグッと拳を握って主張する。
何だか話がずれてきている気がするが、アメリアの口は止まらなかった。
「ケイさんは私にプロポーズしてくれました……だから、あなたに相応しい女性になりたいけど……胸は大きくならないし……過去はどうしたって変わらな……っ!?」
アメリアは最後まで言葉を紡ぐ事が出来ずに、目を丸くして固まる。
何故ならケイがアメリアの口を自分の唇で塞いだからだ。
「ん」
初めてのケイとの口づけに、アメリアの背筋がゾワリと粟立つ。
角度を変えるとか、そういう事もせずにただ唇を合わせるだけの不器用なキス。
なのに痛いぐらいに心臓が高鳴り、身体がふわんと浮き上がったた感じがした。
「……ふぁ……」
やっと唇が離れ、アメリアはとろんとして息を吐く。
目の前のケイはごきゅんと生唾を飲んで、ガバッとアメリアを抱きしめた。
「言っとくけど、俺はアメリアが穢れてるなんて思った事ない……それに、あれは過去も全部ひっくるめてのプロポーズだから。愛玩奴隷だったアメリアも、今頑張ってるアメリアも……全部まとめてのプロポーズ」
ぎゅうっと抱きしめられたアメリアの耳元で話すケイの声と、吹きかかる息にアメリアは再び背筋を粟立たせる。
「実は後悔してる……待つなんて言わなきゃ良かったって……出来れば直ぐに抱いて滅茶苦茶にしたいのに……だけど大事にしたいんだ……それだけが目的だと思われたくない」
愛玩奴隷で経験が豊富なアメリアを抱くのは簡単かもしれないが、簡単に抱きたくなかった。
そう言うケイにアメリアは意外な言葉を返す。
「……酷い……」
「え?」
今の話でどうして酷いと言われなければいけないのか?
ケイは腕の力を抜いてアメリアを見下ろした。
アメリアは潤んだアイスブルーの目で、キッとケイを睨む。
「それなら……抱いて下さい!」
「へ?」
「そうです!私は愛玩奴隷です!何年も毎日のように抱かれてた愛玩奴隷を何ヶ月もほっとくなんて酷いです!何ですか?!放置プレイですか?!」
「ちょ……アメリア?」
アメリアの剣幕にケイはワケが分からずオタオタする。