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ゼビア・ズ・ショートストーリー
【ファンタジー その他小説】

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ヘタレ男と愛玩奴隷-5


 目の前のケイは見た事が無いぐらいに怖い顔をしていた。

「ケ……イさん?」

 何か怒らすような事を言っただろうか、とアメリアは身体を縮こませる。

「…………」

 ケイは黙りこんでアメリアを肩に担ぐと、買い出し済みの荷物を拾ってスタスタ歩きだした。

「ケイさん?!」

「大人しくしてて」

 小さく暴れたアメリアにケイの厳しい声がかかる。
 今まで優しくしてくれていたケイの豹変ぶりに、アメリアは身体から力が抜けるのが分かった。

(……嫌われた……)

 きっとケイも思い出したのだ。
 元愛玩奴隷のアメリアがどれだけ玩ばれ、穢れているのか……。
 この数ヵ月が甘くて……幸せ過ぎて……自分が普通の女の子だと勘違いしていた。

 所詮、奴隷は奴隷なのだ。


 ケイはアメリアを肩に担いだまま『海かもめ』の裏口に回り、一度アメリアを下ろしてから店のおばあさんを呼んで荷物を渡す。

「……うん。ごめんな、今日は休ませるから……え?大丈夫だよ。何もされてない。うん、伝える」

 裏口でコソコソ話をしたケイは、くるりと振り向いて再びアメリアを担ぐ。
 担がれたまま裏道を進み、ふと気づくとアメリアは自分の部屋に居た。
 ベットの端っこで顔を両手で覆い縮こまるようになっている自分は、奴隷だった頃と同じ。
 アメリアはそっと顔を上げて部屋の中を伺った。
 入り口のドアの前に人影があり、その影がゆっくりと近づいて来る。
 ギシッとベットが軋み、アメリアは益々縮こまった。

「なあ、さっきの話……本気?」

 影は言わずと知れたケイで、ベットに座った彼はやっぱり怖い顔をしている。

「さっき……の……?」

「自分が穢れまくってるって話」

「だって……私、愛玩奴隷だったから……」

 ケイはアメリアの記憶を見ているので全て知っている筈……分かりきった事だ。
 分かりきった事をわざわざ聞いて、どこまで惨めにさせたいのか……アメリアの中で恐怖よりも怒りが大きくなった。

「だから、ケイさんも抱いてくれないんでしょう?」

「…………は?」

 アメリアの目の前で、ケイの怖い顔が間抜けな顔に変わる。

「わ……私が愛玩奴隷でっ……色んな男の人に抱かれてるからっ……手を出す気にならないんでしょう?!」

「なっ?!ちょっ……」

 止めようとするケイを無視したアメリアは、興奮したように段々と声が大きくなっていった。



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