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come into flower
【その他 官能小説】

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come into flower-1

私は今年で40歳になるサラリーマンだ。
三年前に10歳年下の妻と結婚したが、まだ子供はいない。
子供が欲しくないわけじゃないのだが、若い時のような“勢い”もなくなり、性欲が衰えているのを感じる。
10歳年下の妻は、今が熟れごろだからだろうか…最近、あからさまに行為を求めてくるようになったが、それがさらに私の気持ちを萎えさせる。
平日はわざと遅く帰り、疲れたふりをして行為を避けるようにするのだが、週末は避けようがない。
私にも性欲はある。
妻が実家に帰った夜などはアダルトDVDをレンタルして自慰行為を行うこともある。
40歳にもなって…と、自分でも思う時はある。
しかし妻との義務のような行為よりはましだった。
私の中では週末の夜が妻との義務になり、苦痛でしかなくなっていたのだった…

平日の夜…
早く家に帰りたくない私は、時間を持て余していた…
一人で酒を飲むのはあまり好きじゃない。
どうしようかと思いながら、電車に乗った私は会社と自宅の間にある繁華街で途中下車をした。
改札を出て、駅前の広場のベンチに座ると煙草に火を点ける…
平日とはいえ、繁華街の駅前は様々な人々が行き来している。
腕を絡ませた若いカップル。
私のようなサラリーマン。
化粧が派手で水商売風な女性。
ふと気がつくと、私の向かいにあるベンチに一人の女性が座っていた。
20代前半くらいだろうか…
眼鏡をかけた長い髪の女性だった。
服装は地味で、黒いセーターに、茶色のロングスカートで首にはグレーのマフラーをしていた。
ネオンに照らされるこの場所には不似合いな雰囲気に、私は惹かれてしまった。
(…彼氏と待ち合わせなのかな…)
彼女は何度も改札口や周りを見ている。
(化粧もあまりしていないみたいだ…肌が白いな…目が悪いのかな?なんだかキツイ感じがする…)
彼女は私の興味の対象になっている等とは思いもしていないだろう。
私は30分程その場で彼女を観察していた…
しかし待ち合わせの相手は現れない。
彼女は落胆した雰囲気でベンチを立ち、駅とは反対側に向かって歩き出そうとした。
そんな彼女に私は声をかけた…
ナンパなどした事がない私のどこにそんな勇気があったのか解らない…しかし自然と身体が動いていたのだった。

そして今…
…私と彼女はラブホテルの一室にいた。
なんでこんな事になったのか…私自身が一番驚いている。
食事でもどうかなと誘った私に対して、彼女は「食事よりも、もっといい所に行きましょう?」と返してきた…
その結果である。
私の人生でこんなシチェーションは初めての事だった。
結婚までに何人かの女性とセックスは経験したし、風俗店にも行った事はある。
しかし、自分から声をかけ、しかもすぐにホテルに行くなど経験したことは無い。
何か裏がありそうで怖かったが、この時の私はいつもと違っていたようだ。
靴を脱いだ彼女は小柄で私の胸ぐらいまでしか無かった。
「まだ名前を聞いていなかったね…なんていうの?」
背広を脱ぎ、ネクタイを緩めながらソファーに座った私は煙草に火を点けながら聞いた。
「……綾です……」
彼女は少し考えるように間を空けてから答えると私の隣りに座った。
彼女はやっぱり目が悪いのだろう、眼鏡の奥の瞳はキツク見える。
「綾ちゃんか、可愛い名前だね……聞いてもいいかな?なんで……」
綾は私の言葉をさえぎるかのように、私の唇に柔らかな自分の唇を重ねてきた。
小さくて柔らかな唇…そこから私の唇の中に小さな舌が侵入してきた。
彼女の小さな舌は、巧みに蠢き私の口腔を刺激する。
(あぁ…忘れていた…キスが気持ちいいって事を……)
彼女の小さな舌は、忘れて久しい感覚を思い出させてくれた。


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