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高校デビュー
【学園物 官能小説】

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第四話(行為なし)-5

周囲を見る。
いつもは距離をとって歩いている生徒たちが、今日はいつも以上に距離をとってちらちらとこちらを見ながら歩いていた。

「なんかおかしくないですか?」

「そうか?」

絶対におかしい。明らかにいつもと様子が違う。

「おい桃園!今すぐ職員室へ来い!」

昇降口で待ち構えていた教師がそんなことを言う。
周りの様子がおかしいのと関係あるのか?

「はい。じゃあ竜、またあとで」

「はい」

   ***

一時間目が終わったところで、香澄さんからメールが届いた。
『早退する。君に迷惑はかけないから心配するな』

「?」

迷惑…まさか妊娠!?っていやいやさすがに早すぎる。
電話をかけてみたが、出てくれなかった。
一体何が起こっているんだ。
『何かあったんですか?』送信。

   ***

昼休み。香澄さんから返信はない。
これはいよいよおかしい。

「よし」

事情を聞くため、僕は単身三年生のクラスへ乗り込んだ。

「た、たのもぅ…」

香澄さんの真似を試みたが失敗。

「どうしたの?香澄なら早退したよ?」

佐伯先輩が話しかけてくれた。
よかった。僕はこの人に用があったんだよね。

「どうして早退したんですか?」

「え?あー…ここじゃなんだから、場所変えよっか」

「はぁ、いいですけど…」

佐伯先輩も様子がおかしい。まさか本当に妊娠したのか?
誰もいない教室に連れて行かれた。何か変なことされないよね。前に付き合おうかとか言ってきたし。

「動画のこと、知ってる…わけないか」

「動画?」

「そ。大谷くん、スマフォ?」

「そうですけど…」

「じゃ、香澄の名前で検索かけてみて」

「?」

よくわからないが、動画サイトにログインして『桃園香澄』で検索をかける。

「えっ…な、なんですかこれ!?」

表示された動画タイトル一覧。
『アイドルの素顔!?桃園香澄は淫乱だった!?』
『桃園香澄!彼氏とラブラブセックス!?』
『桃園香澄の彼氏が手がけたかすみんとのセックス動画!』などなど。

「香澄が早退した理由は、それ」

いつもとは違った様子の生徒たち。職員室に呼ばれた香澄さん。僕に迷惑はかけないと言った香澄さん。


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