第三話(行為あり/本番あり)-1
4月26日金曜日、香澄さんの誕生日でもあるその日、僕は待ち合わせ場所である喫茶店で持ち物を確認していた。
プレゼント、OK。
財布、OK。
コンドーム、忘れた。
「うおぉぉぉっ!?」
一番大事な物を忘れちゃったよどうしよう!
ま、まさか生でさせてくれるはずないし、香澄さんがコンドーム持ってるとも考えにくい…そういうのって男が用意するものだろうからな。
かといって今から買いに行くわけにはいかない。待ち合わせ時間は5分ほど過ぎているから、買いに行ってる間に香澄さんが来る可能性がある。
事前に確認しておけばこんなことにはならなかったよな…。
「待たせたな」
「うおぉぉぉっ!?」
いきなりの香澄さんの声にプレゼントを素早く隠す。
あっぶな…見つかってないよな…。
「こんな所で叫ぶやつがあるか。見られてしまうだろう」
香澄さんはサングラスで顔を隠し、髪を後ろで結ってポニーテールにしていた。
「可愛いですね」
「いつもは可愛くないと?」
「えぇ!?違いますよ!いつも以上に可愛いですね、という意味です!」
「わかってるから大声を出すな。君をいじめてみただけだ」
またイジメられたのか…僕ってイジメられやすいのだろうか。って言っても、香澄さん以外にイジメられたことはないけどなぁ。
「香澄さんの私服姿って、初めて見た気がします」
「うん。いつもは学校でしか会わないからな」
いつものセーラー服姿も可愛いんだけど、さすがにデートに学校の制服はないか。
今の恰好は黒いゆるTシャツに、下は見逃してしまったのでわからないが…。
「服装チェーック!」
テーブルの下を覗きこみ、黒のミニスカートと黒いストッキング、そしてその奥にある黒っぽいパンティを確認。全身真っ黒だ!
「素敵です!」
「他に言うことは?」
「すいませんでしたー!」
「許す」
だってミニスカ履いてるなんて思っていなかったんだ。願ってはいたけど。
しかし黒って大人の女って感じでエロいな。
「竜はどれくらい前から待っていたんだ?」
「ほんの30分程度ですよ」
「そうか…よりによって初デートで遅刻するなんて、本当にすまない」
「大丈夫です。ベッドの上ですることをシミュレートしていましたから」