第三話(行為あり/本番あり)-3
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「うわ、人少な…」
個人的にアインズゲートは人気作だと思っていたんだけど、映画館がボロいせいか客はほとんどいなかった。
「そのほうが都合がいい」
「え、あ…」
そうか。あまり人が多いとアイドルとしては困るもんな。
「席は自由らしいから、一番後ろに座るぞ」
「前のほうがいいと思いますけど」
「座るぞ」
「はい…」
結局香澄さんに言われて一番後ろに座ることになった。
さほど大きい映画館でもないから、このくらい(20列目?)なら問題ないかな。
「…………」
お互い無言で待つこと数分。
照明が消え、スクリーンに注意事項などが表示される。
「いよいよ始まりますね」
「…………」
香澄さんは無言のままだった。
何やら様子がおかしいけど、僕なにかしたかな…なんて思っていると。
「っ!?」
「し、静かにしろ」
香澄さんが僕の股間を撫でてきたのだ。
「な、なにしてるんですかっ」
「しっ。他の客に迷惑だろう」
そんなことを言いながらも股間を撫で続ける香澄さん。
次第に大きくなっていく我がムスコ。
古い映画館。そこで上映されるアニメ映画。客が少ない。一番後ろの席。
もしかして香澄さん、最初からこれが狙いだったのか!?
「ふふ…」
ようやく気付いたか、とでも言うように笑う香澄さん。
「んっ、ぁ…」
声が漏れ、慌てて口を両手で押さえる。
「ふふ」
ようやく手を離してくれた…と思ったのもつかの間、無理やりズボンをずり下げられた。
「んっ!?」
まさかここでセックスするつもりじゃありませんよね!?
「こんなところで勃起して、どうしようもない変態だな」
耳元でそう囁かれる。
いやいや変態はあなたですって!
「直接触ってほしいか?うん?」
トランクスの上からムスコを撫でられ、僕は我慢できずにこくりと頷いた。
「ふふ、素直で可愛いな」
「ひうっ!?」
耳をペロリと舐められ、びくっと体が反応してしまう。
「こらこら。あまり声を出すと、気付かれてしまうぞ?」
そんなことを言われたって、香澄さんとの約束を守って一週間近く射精していないんだ。声だって漏れてしまう。