「すき?」-4
先生はニッコリ笑ってこう言った。
「だって俺がこんなに藤崎の事が好きなんだもの。」
・・・。
「ぷっ。何その理屈〜!!」
私は吹き出してしまった。まさか、そうくるとは!
「だって。俺はお前の事が大好きだから、すごく大事にするし、楽しませるよ?相談
にだってのるし!年の功があるから絶対役に立つぞ〜。そしたら絶対俺の事好きにな
るから。」
先生も笑いながらそう言った。いつのまにか、いつもの掛け合いのような空気だ。
「くくくっ。無茶苦茶だね。」
「だから恋愛は理屈じゃなくてハートだって。」
確か先生と一緒にいるのは楽しい。付き合ったらどんな感じだろ?
「くくくっ。じゃあ・・・お願いします。」
自然とこぼれ落ちるように口からこの言葉がでた。
それなのに先生は、
「ヘッ?」
だって。
「それって・・・」
「だーかーら!」
私はそこまで言うと顔を背けた。
「すっげー嬉しい!」
先生は満面の笑みでそう叫ぶと、私を抱きしめた。
・・・かわいい。
さっきまであんなに悲しそうな顔をしていたのに。
きっと私は私より遥かに年上で、優しく包んでくれるのに、少年のような面もある先
生に惹かれていたんだろうな。
・・・かわいい。
なんか無性に先生の頭を撫でたい。
「ね。先生。椅子に座って?」
私は先生の腕を振りほどくと、私が日頃使ってる椅子に先生を促した。
「ん?なんで?」
「いいから、いいから。」
先生はキョトンとした顔をしながら言われた通り椅子に座ってくれた。私はちょうど
私の胸くらいの位置にある先生の頭を抱きしめ、好きなだけ撫でまわした。
「・・・おい。何のマネだ。」
先生は面食らったようで、呆れにも似た調子で私に尋ねた。
「だって。先生なんか可愛いんだもん。だからおもいっきり抱きしめたくて。ダ
メ?」
「オレはぬいぐるみか?!それに・・・」
先生が言い終わらないうちに先生のつむじを見つけた。なんか、チョコンとのってい
るつむじも可愛らしくて、思わずソコにキスをした。
「!!」
先生はビクッと反応をした。
「っだぁ!もう!」
先生はイラついたように私の腕を振りほどくと、私を引っ張り座っている先生の上に
向かい合うように座らされた。先生の顔を見ると、怒っているようだ。
・・・なんか怒らせちゃったみたい。
何が琴線に触れたのか解らないけど、まずいなぁ〜と思っていた私の顔を両手で掴む
と、先生は顔が近づけた。
先生舌は私の唇をなぞると、荒々しく私の口の中に滑り込ませた。
ひゃっ!
先生の舌は私の舌が絡めとり、味わっているかのように吸ったりする。
ゾクッと背筋に何かが走る。
私は、喰われるんじゃないのかってくらい激しい先生のキスに戸惑いながらも、先生
のシャツを掴んで耐えた。
私の息も苦しくなった頃先生はようやく顔を離した。
先生は私の頭を抱くと、私の耳元に唇を近づけ囁くようにこう言った。
「お前な〜。天然にも程があるぞ。好きな女の胸に顔を埋めて欲情しない男なんかい
ないんだぞ。」
あぁ・・・なるほど。
と、納得しながらも、先生の口から『欲情』という言葉にドキッとしてしまう。
どうしよう・・・。