里美 第6話-2
それから2~3日経った昼下がり、高校からの友人が久しぶりに遊びに来て、ちょうど小腹が空く時間帯、友人の何気ないひと言でピザを頼む事にした。
あの配達の男の子のことは、あまりにも印象が薄くてピザを頼むまですっかり忘れていて、電話を切ってから(あぁそう言えば)くらいに思い出した程度だった。
「遅くなりました、配達に伺いました」
玄関のチャイムが鳴り、ドアを開けるとあの男の子が立っていた。
「ありがとっ、お疲れさま」
笑顔でそう言うと、男の子もはにかみながら中に入ってきた。
「えぇとぉ、これがご注文の…」
バッグから取り出して里美に手渡しては、男の子の視線がチラチラと里美の胸にいく。
(そっかぁ)
里美はその視線に気づいて心の中で笑った。
その日、女友達との気安さからタンクトップの下はノーブラで、乳首がぽっちりと浮き出ていた。
「ねぇ、今度の土曜日はヒマ?もし良ければご飯食べに来ない?」
里美はこれ見よがしに乳首が浮いた胸を見せつけながら言った。
「あ…はい、でも…]
「あっ、用事有るのならいいのよ。ほらあの時のお礼もしたいから、どうかなぁって思っただけだから」
里美は意味有りげな視線を送りながら言った。
「いえ、何も用事ないんですけど。。。」
「じゃぁ来てね。遠慮要らないから、うちの人もお礼しなきゃって言ってたし」
里美は、じれったい男の子に代わってどんどん話を進めた、そして次の土曜日の約束を取り付けた。
「今度の土曜日、あの男の子を食事に招待したからね」
「ふぅーん、いいんじゃない。どこで?外で食べるか?」
「うん、そう思ったけどさ。家の方がゆっくりできるんじゃない?それに仕事の都合も有るから時間決められないでしょ」
毎度の事ながら、ゲームに熱中していて気のない返事をする夫を見るでもなくそう返した。
「だよな。なるべく早く帰って来る様にするわ」
そういうと、ゲーム機を手に寝室へと階段を上っていった。
(もぅ…)
毎日がこの繰り返し、一緒にご飯を食べて、一緒のベッドに寝ても、精神的には家庭内別居をしているみたいだった。
(そりゃ、仕事で疲れてるのもわかるけどさぁ。。。)
家事を終わらせて風呂を済ませて、寝室に行く頃には、爆睡しているのが常だった。
こんなんで子供なんてできるわけがない…里美は淋しくて泣くときもあった。