美咲【2】〜8月21日(水)〜-1
ピピピピピッッ……!
「う、ん……」
午前四時にセットした目覚ましの音で目を覚ます。
学校は夏休みだというのにこんな朝早くに起きた理由は、とても単純明快。
隼人とデートする約束をし、お昼ご飯のお弁当を作るため。
「ん……」
体はまだ熱いけれど、昨日ほど酷くはない。隼人とHしたからかな。
「セクスキャリバー……」
常に視界の端にある性剣の名を呟き、不可視のそれを握る。
昨日の隼人とのHで、この性剣は第二段階へと『進化』した。中出しはしてくれなかったので神化まではしていない。
「あ…れ?」
下腹部に違和感がしたので触れてみると、何もいやらしいことを考えたわけでもないのに濡れていて、見てみると下着がぐっしょりと濡れていた。
一気に恥ずかしさが込み上げてくる。
「ね、寝てる間に、しちゃったの……?」
寝ながら自慰をしてしまったらしい。
「……ちょっとだけ」
切なくなって、性剣の柄を下腹部へ擦りつける。
これ、結構いいかも……でも、やっぱり隼人のじゃなきゃ……。
「隼人……」
この時間なら隼人はまだ寝ているだろう。
でも頭の中は隼人の男性器のことしか考えられなくなっていく。
振り払おうとしても一度考えてしまうとなくならない。覚醒してからずっとこんな感じ……。
「おはようの、キスを、しに行く、だけ…うん」
***
よろよろと歩きながらようやく隼人の家に着くことができた。
普段なら一分あれば着くというのに、今日は五分ぐらいかかってしまった気がする。
「隼人……」
持ってきた合鍵で玄関を開錠して中へ入る。
「み、美咲!?」
なぜか男性器丸出しの隼人が地下室のほうから駆け上がってきた。
男性器に釘付けになる。
欲しい。欲しい欲しい欲しい。私の、えっちなところに入れてほしい。
「ミサキ……?」
声がした。聞き覚えのない女性の声。
見ると地下室へ続く階段の下に、不可視の性剣を持ちこちらを睨む全裸の女性が立っていた。
男性器丸出しの隼人。全裸の女性。性剣。
「隼人……説明してくれる?」
「あなたこそ説明なさい」
全裸の女性が性剣の切っ先をこちらに向けて突っ込んできたので、私は反射的に自分の性剣でそれを防いだ。