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夢を叶える七性剣
【ファンタジー 官能小説】

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ツェツィーリア【1】〜8月19・20日(月・火)〜-1

ドイツ時間の八月十九日、PM2時。
フランクフルト国際空港。

「やぁツェツィーリア。我が愛しの娘」

「見送りありがとうございます、お父様」

日本語で挨拶を交わし、軽い抱擁をするワタクシとお父様。

「ようやく日本へ行くのだな」

「えぇ、そうですわ……」

日本へ行かなければならないことを思い、憂鬱になる。

「まぁそう嫌そうな顔をするな」

ワタクシの本名はツェツィーリア・カンザキ・ワーグナーといいます。
お父様は生粋のドイツ人で、今は亡きお母様は日本人だったそうです。なのでワタクシはハーフということになります。
で、お父様の計らい、もとい余計なお世話により、お母様の友人だった方の家へホームステイしなければならないのですが……。

「ワタクシ、日本人が大嫌いですもの」

「悲しいことを言わないでくれツェツィーリア」

そう言われても嫌いなものは嫌いなので仕方ありません。
でもお母様のことは嫌いではありませんし、日本人という人種が嫌いなだけで日本という国はむしろ好きではあるのです。
しかし皮肉なことに、日本人嫌いアピールが過ぎたせいで『現地に行って学んできなさい』とお父様に叱られ、今日に至ったわけなのですけれど。

「安心してください。お父様のメンツもありますし、イチジクさん……でしたっけ?向こうの方には迷惑をかけないつもりでいます」

「パパのことを考えてくれているなんて……ママに似ても似つかないな」

お母様が亡くなったのはワタクシが一才の時だったそうなので、よく覚えておらず『ニテモニツカナイ』なんて言われてもコメントができません。

「一週間で帰ってきますわ」

「早い!?せめて一ヶ月は滞在しておくれ!」

「そんなにいたら体が腐ってしまいますわ」

「腐らないよ!?」

本当は日本人となんて関わりあいたくもないのに、一週間日本に滞在してあげるだけありがたいと思ってほしいですわ。
ま、日本に行ったところでワタクシの意見は変わらないと思いますけど。

「パパとしてはね、早くお前に恋人でも作ってほしいんだ」

「日本人と付き合えという話なら断固拒否致しますわ」


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