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夢を叶える七性剣
【ファンタジー 官能小説】

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ツェツィーリア【1】〜8月19・20日(月・火)〜-2

お母様のこともあり、お父様は日本人を過大評価しているようですが、日本人なんて野蛮で汚らわしいだけですわ。

「さすがにそこまでの要求はしないよ。だがツェツィーリア、お前ももういい年だからね。日本人に限らず、お前は男性嫌いの節もある」

「そ、そんなことありませんわ。え、エルドゥアン・アタリンとか好きですわよ!」

適当に知っている俳優の名を挙げてみましたが、正直どのような方なのかまでは存じていません。

「パパより年上じゃないか。ツェツィーリア……君が恋人を作らないのは、パパのことが好きだからかい?パパとしては大歓迎だよ」

お父様より年上って……おじさんではありませんの!?
しかもおかしな誤解までされてしまいました!大歓迎ってどういう意味ですの!?

「パパ、じゃなくてお父様のことは好きですけど、男性としてではありませんわよ」

「それは残念……」

心底残念そうにうつむくお父様。
これではまるでワタクシが悪いみたいではありませんか……。

「おっと、できればもう少し君と話していたいのだが、そろそろ仕事に戻らなくてはな」

「お気をつけていってらっしゃいませ」

「君もな、ツェツィーリア。グッドラック!一ヶ月後に!」

グッドラックってたしか英語でしたわよね……。
そこはせめてドイツ語で言ってほしかったですわ。

「はい。それでは一週間後に」

「一ヶ月はいてくれぇぇぇ!!」

   ***

日本時間八月二十日、PM0時20分。
およそ半日のフライトを終え、空港から電車で数十分……迷うことなくワタクシは目的の駅へ到着できましたわ。

「イチジク……ジュンイチさん、だったかしら」

迎えに来る方の名前を再度確認し、駅前のベンチに腰を落ち着かせる。
周囲を見回してみましたが、ワタクシ以外にキャリーバッグを持っている人物はいませんでした。

「……日本人ばかり」

当然なことを口にし、はぁ、とため息をつく。
通りがかる人々が一瞬こちらを見、けれどすぐに興味をなくした様子で各々の目的地へと歩いて、あるいは走って消えていく。
もっと話しかけてくるかと思っていただけに、驚いたと同時に安堵しました。


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