俺と晴菜と間宮と亮-4
その上のポストに昇格するのに九州が不利にならなければいいが・・・
俺たちの会社は海外資本の総合商社だ。
中央にいてナンボ。
中央にいてこそ、海外の話が回ってくる。
海外資本の商社で
日本勤務だけで終わるのは
出世の道が絶たれたことになる。
この年で九州。
このタイミングで九州に行って
平気なのか?
会社は間宮をどう扱いたいんだろう?
俺の感情を読んだかのように間宮が続けた。
「男女平等だといっても
男より早く女の私を昇格させるには抵抗があるらしいの。
そこで、九州よ。
ちょうど支店を出すのに
女性の新しい感覚を、と表面上はうまいことを言ってるわ」
なるほど
「この話を断ったらどうなるか聞いたか?」
「聞いたわ。主任の話はもちろんなし。
はっきりとはいわなかったけど
今後2年は昇格しないわね」
2年の昇格なしか
九州の主任か・・・
難しい選択だな
「悔しいわ」
いつの間にか間宮の手はビールから日本酒に変わっていた。
「私が男だったら、迷わず中央でトップで主任になれたのよ。
女だからって九州に行かなきゃ主任になれないなんて」
確かに。
それは俺も思った。
けど、それは女の間宮には言えなかった。