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「ねぇ、げんちゃん。まっちゃん遅過ぎない?」
「.....連絡もねーし、そろそろ我慢も限界だな」
「なにしてるんだろう....」
「....ウンコかね」
携帯を取ろうとポケットを探った時、暁生の視線に何かが映った。
「.......げんちゃん、あそこ。なんか落ちてる」
「.....鍵だ。『体育事務室』って書いてある...」
「あいつ、落としてんじゃん....」
「使えねーやつ....」
「届けてあげる?探してるかもよ」
「えー。めんどくせーよ」
「でもここにいても、暇でしょ?」
「....確かに...」
重い腰を上げ、二人は体育館へと向かった。
事務室の前に、散乱した書類を見付ける。
「あっちゃん、このバラ撒いてあんの、まっちゃんが持ってたやつじゃね?」
「....そうかも」
「あーぁ.....あいつ何してんだよ。てかどこ行ったんだマジで」
元が書類を摘まみ上げる。
隣で、暁生が気付いた。
「げんちゃん....」
「ん?」
「あそこ....用具室....」
「あれ?ドア無くね?」
「何かあったのかな...」
元はたいして気にも留めず、再び書類を集め始める。
しかし気になった暁生は、本来ドアがある場所から覗いてみた。