投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

246
【青春 恋愛小説】

246の最初へ 246 26 246 28 246の最後へ

5-3

(......部活の連中か)




大して気にも留めず再び鍵を探していると、




「......いや!やめてよ!」




はっきりと、誠の耳に届いた。
明らかに女子の叫び声だ。




「.....マジかっ!」




一切の躊躇無く用具室のドアに思い切り蹴りを入れた。
預かっていた書類はぶちまけてしまったが、それどころではなかった。




吹っ飛んだドアの向うには、棚を背にして羽交い絞めにされている女子。

暗がりでよく見えない。
しかし。
一瞬目を疑ったが、絢だ。




信じられなかった。




「.....絢ちゃん....?」




携帯を片手に、こちらを振り向いたまま硬直している同じ制服の男子が二人。




「....誠くん!!!」




絢の叫びが耳に入るより早く誠は一人を殴り飛ばし、逃げようとしたもう一人にも後から飛び掛って馬乗りになった。




状況は理解出来なかった。
しかし、明らかに絢は泣いていた。

絢の声は、助けを求めていた。




誠にとっても、絢は妹のような存在だ。
どんなに危険な遊びでも、元の後ろから必死に食らい付いてきていた、妹であり大切な友達。

誠は、狂った様に殴り続けた。


246の最初へ 246 26 246 28 246の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前