巡り巡る世界-6
これなら……勝てるっ!
「行くぞぉっ!!」
『グオアッ!!』
アースの叫び声にゼインは大きく答えて足を踏ん張った。
「でああぁぁああっ!!」
『グアアァアァッ!!』
2人から互いの力が放出される。
ズガガガガガッ
地面を抉りながら激進した金色と青白い2つの力は、2人の丁度真ん中で激突した。
ドオオオォォ
バヂバヂバヂバヂ
耳が痛くなる程の轟音と目を射るような光が溢れ、演習場全体が揺れる。
「発っ!!」
轟音に紛れてエンが結界を発動する声が聞こえた。
演習場を囲むようにオレンジ色の膜が張り、見学者の周りを紫色の膜が覆う。
「きゃああぁぁっ」
「わわわわわわ」
「ふにゃあっ」
結界内に居てもビリビリと空気が震えて肌が痛いくらいだ。
そんな中、両手で耳を塞いだカリーは何とか目を凝らして演習場内を見る。
両手を前に突き出して力を放出させているゼインは、勢いに押されてズリズリと下がっていた。
『自分の力に負けんなっ!踏ん張れっ!』
『グウゥ……!』
猫に叱咤激励されながらゼインはググッと足を踏ん張る。
「甘ぁいっ!!」
アースが吼えると金色の力がひと回り大きくなって、ゼインの青白い光を押した。
『ガアアァッ!!』
負けじとゼインは足を踏み出してアースの力を押し返す。
「ぅおっ?!」
アースの足がボコンと地面に埋まり、構えたロングソードが軋んだ。
『オオオォォオオオッ』
ゼインは身体から沸き上がる魔物の力に高揚して、思いっきり力を吐き出す。
バヂィッ
ぐわっと青白い光が金色の光を飲み込んで、アースへと覆い被さった。
ドガアアァアアン
ゼインの光は演習場を半分吹き飛ばし、土煙と瓦礫を結界の膜にバシバシと叩きつける。