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アンバランス×トリップ
【ファンタジー 官能小説】

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巡り巡る世界-7

『グ……ハァ……ハァ……ハァ……』

 肩で息をしながらゼインは自分の両手を見つめる。
 興奮でカタカタ震える両手をぼんやり眺めながら、ふと我に返った。
 バッと顔を上げたゼインが見たものは、土煙と瓦礫の中にある折れたロングソード。

『グ?!』

 しまった、やり過ぎた……と思った瞬間。

「だ・か・ら、甘いんだって」

スッパァーン

 頭上からアースの声と、自分の頭から間抜けな音。
 クラァッと目の前が白くなり、意識が遠退くゼインの目に映ったのは……金色に輝くハリセンだった。



『合格』

 いい加減見慣れた白い医務室の天井をぼんやり眺めるゼインの耳に、猫の声が届く。

「……何が?」

 首を動かすと、そこには黒い猫が椅子の上にちょこんとお座りをしていた。

「つうか、アンタ何者?魔物か?」

シャッ

「ひぅっ」

 魔物か?のところで猫の爪が閃き、ゼインの頬をかする。
 息を飲んだゼインの背中には冷や汗、頬には血がタラッと流れた。

『魔獣のグロウだ。よろしく』

「は……はい……よろしくお願いします」

 魔獣といえば一応、魔物であるゼインの祖にあたる……魂レベルで格が違う。

「えっと……合格ってのは?」

 いったい何の事だ、と問いかけながらゼインが身体を起こすと、医務室のドアがガチャリと開いた。

「あ、目ぇ覚めたんだぁ〜?」

 ひょいっと顔を出したのはカリー。
 彼女は軽い足取りで近づくと、ポスンとベットに座った。

「初めて魔力使った気分はどぉ?」

 ニコニコと感想を聞かれたゼインは、自分の手をジッと見る。

「何か……やっぱ、人間じゃねぇんだなって……今更ながら実感した……」

 人間じゃないのは分かっていた……変身できるし、薬による肉体改造以上の力も出せる。
 しかし、目に見えない不可思議な力が身体の中に有り、それを目の当たりにすると……少し自分が怖い。
 へこむゼインの反応にカリーは顔をしかめた。



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