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(友達の妹止まりかぁ...)
絢が即席で作った夜食を食べ終え、ビール片手に盛り上がる二人。
ジュース片手に見守る二人。
話は尽きなかったが、それよりも早く元が力尽きた。
グラスを握ったまま胎児の様な体勢で制服のまま寝息を立てている。
「げんちゃん、寝たな...」
「ごめんね、テツくん...。お兄ちゃん、昨日バイトの後も飲み続けて朝帰ってきたっぽいから...」
「あー、そうだったんだ。....なんかさぁ、こいつ、がんばってるよなぁ...」
「テツくん、どしたの急に」
「いや、この寝顔さ、まぁ穏やかなもんだけど...中坊の頃は酷かったじゃん、マジで」
「あぁー...黒歴史だよねー...。あの頃、ほんとに恐かったもん、兄貴」
「な。げんちゃん達のこと大して知りもしないでちょっかいだしてた俺らも悪かったけどさ、にしてもあそこまでボコされるとは...」
「その件はほんっっっっっっっとにごめんね、テツくん!いや、兄貴もガキだったし、手加減を知らなかったってーかなんてーか...」
「いやー、もうネタだからいいけどさ!でもほんと、大人になったなぁって」
「そうだねぇ。でもね、なんか、高校入って急に大人になっちゃったような気もして。ほんとはもっともっと自由に遊びたかったろうし、甘えたい年だったとも思うし...」
「でもね、こいつなりに楽しそうだよ、今。そんなに絢ちゃんは気にしなくていいと思う。未だにちょっと恐いし何考えてんのか分かんないけど、それだけの奴だったら俺とかまっちゃんとか、遊ばないしね」
「テツくん...ありがとう」
「いやいや、そんな。....なんかしんみりしちゃったね。時間も時間だし、真紀、帰るか」
「あ....うん」
「絢ちゃん、ご馳走様っす。げんちゃん風邪ひかないようにしてあげてな」
「うん!ありがとう!また来てねー!真紀ちゃんもまた明日!」
「うん、バイバーイ!」