2-3
ピンポーン
チャイムが響く。
「あ、兄貴たちだね!ちょっと開けてくる!」
「うん....」
真紀の頭には、まだ見ぬ美帆の姿が映った。
(元くんが好きになる人だから.....素敵な人なんだろうなぁ...私なんかより....そりゃもう胸とかお尻とかも....)
「ただいまー」
「お邪魔しまーす。真紀、いるかー?」
(..っあ.....帰ってきた...)
「よっ、真紀ちゃん。メシは食った?」
「あ、うん...絢ちゃんが色々作ってくれて...」
「作り過ぎたぜ!!」
「あ、マジ?残ってたりしない?俺もテツもさ、一応食ったんだけど腹減ってさ」
「全部食ったぜ兄貴!!」
「.....あー..そう...(なにそのキャラ...)」
「でも10分くれれば適当に作るよ?ご飯もまだあるし」
「....だってよ。てっちゃん、どうする?」
「.....さーせん、頂いてもいいすか....?」
「お兄ちゃん、やめてよ...恥ずかしい...」
「ははっ。お前ら和むわぁ」
真紀は最早何に、誰に対して恥ずかしくなっているのか分からなくなっていた。
真紀にとって元の笑顔は救いだったが、同時に「お前ら」が「お前」一人になればいいのに、とも思っていた。