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だめなひと。
【その他 官能小説】

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だめなひと。-3

ネクタイで彼の手首を縛る。にやにや笑いが消えない。そのネクタイをベッドのヘッドボードに開いた穴に通し、きっちり縛る。たるんだ両腕を高く上げ、黒々した腋毛を晒し、行為への期待でペニスをぶるぶると震わせている。
 縛り終えて彼の腹の上で動くと、私の脚の間からじゅる、という音がした。
「あ……」
 溢れてる。どろどろと際限なく濡れているのが分かる。
 腰を上げて私は彼のペニスに触れる。熱い。堅い。
「これ、とっても好きなの……」
 握った瞬間、尿道から透明な液がわずかに漏れた。その液体を指先で亀頭いっぱいに広げる。握って、ゆるめて。つかんで、回して。
「ふあぁ、すごいな……」
 彼の息遣いが荒くなる。私は彼の上に乗った。ペニスを握り締める。
「あ、堅い……、これ、いい……」
 私は夢中でそのペニスの先を探し、腰を動かす。前から握ったまま、クリトリスにあてがう。小刻みに動かす。ぬるぬるした液を吐き出すペニスの尿道の凹みが、クリトリスにぴったり当たる。腰を振り、手を動かす。
「これ……、こうすると、気持ちいい……」
 熱いペニスを膣の入り口とクリトリスに交互に当てる。
 目の前のガラスに、オトコの上でのけぞる私が映っていた。彼にまたがり、左手をベッドに着け、右手でペニスを掴んでオナニーをする私。セックスじゃない、オナニー。思わず口をつく、いやらしいコトバ。彼に聞かせるためじゃない。
「やらしい……。アタシ、ひとりで、してる……」
 胸の先がちぎれそうだ。半開きになった私の唇からすうっと涎が垂れて顎を伝い、揺れる胸に染みる。全部映ってる。すごく淫らで汚い。どんどん溢れる。クリトリスに当てたペニスを伝って垂れた私の体液で指がニチャニチャと滑る。魚みたいな生臭い匂いが私の脚の間から立ち上って、頭がくらくらする。
「アタシの、じゅるってなってる……。すごいでしょ?」
 見えなくても、膣がぱっくり開いていくのを感じる。私の膣が涙を流す。ペニスが欲しいの。中で掻き回して。泡でどろどろ。精液が欲しい。こすって。襞をめくって。ぎゅってしたい。震えたいって。でも待って。まだおあずけ。
「うぉぉ、いやらしいよっ、すごい、すごいねぇ……」
 呟きながら彼も腰を動かす。私の中に入れようと必死だ。でもそうはさせない。
「あん……、感じてる。アタシ感じてる……っ!」
「そうだ、もっと感じて……!! ああっ、オレも気持ち良いよっ」
 その叫びで、私の中の炎が大きくなった。このオトコを感じさせてるだなんて。
 鼻を鳴らし、彼が懇願する。
「どう……? もう欲しくなってきた?」
「ダメ……。もっとアタシのおもちゃになって」
 前に付き合った男から教わったのがローターにバイブレーター。クリトリスに当てて震わせると、私はすぐにイってしまう。でも膣の中ではあまり感じない。堅さや動きじゃない。体温がないとだめだ。熱いペニス。それをクリトリスにあてがうだけで声が出てしまう。男が好きなんじゃないし、セックスが好きなのでもない。熱くて堅いペニスという器官だけが好きなのだ。
 ローターを使うように細かく手でペニスを震わせると、クリトリスが一緒に踊る。
「これ、これがいいの……、これが!!」
 彼の上で私は飛び跳ねる。二人分の体臭と汗がベッドの上で混ざる。私は自分の汗の匂いが淫らで、きつくて、そこが嫌いじゃない。身体を支えようと左腕を伸ばすと、腋の下で汗が匂った。私は腕をまっすぐ上げ、顔を近づけて舌を伸ばし、汗を舐めた。動物の匂いがした。雌の臭いだ。私は感じてる。
「ふぁ…。うぁ……。アタシ、気持ちいい……」
 自分の汗を舌先ですくい、味を確かめながら横目で彼を見た。オトコにまたがってペニスをオナニーの道具にしながら自分の腋を舐めるオンナ。ただの淫乱。でもその姿は彼に刺激的に映ったらしい。唇を舐め、私の行為を見詰めている。クリトリスに当たるペニスがぐんと堅さを増した。
「ほら、もういいだろ……? 入れたいんだよ……」
 彼は無茶苦茶に腰を動かした。クリトリスが、膣の入り口の肉の盛りあがりが、ペニスに刺激される。ぬるぬるとしたその先端が、またがって無防備になった私のアヌスに触れて、私の背中はびくんと伸びた。
「そこも……いいっ!」
 彼のペニスが私の膣の入り口、唇のようになった縁をくすぐれるように腰を振った。排便するように力を入れると、亀頭に吸いつくように膣が締まる。
「あはぁっ、当たってる、当たってる……っ!」
「もう我慢できないよ、入れさせて……」
 ついさっきまで余裕の表情で私の身体を楽しもうとしていた彼が甘えた声を出している。そのこっけいな姿を見るだけで、私は達してしまいそうになる。
「すごい、アタシ、やらしいこと……してる……」繰り返す。
 このまま、一度も入れさせずに射精させてみたい。尻を上げさせ、私の手で何度かこすって、彼の顔に精液を掛けてみるのはどうだろう。自分でオナニーさせるのも楽しそうだ。


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