今の晴菜と今の俺-8
こんな提案を女の間宮から持ってくるとは思わなかった。
この条件は男にとっては都合がいいけど・・・
間宮にしてみたらどうなんだろう・・・
そんな風に考えていた俺に間宮はさらに言葉を続けた。
「私も今は恋人を作る余裕はないわ。
プロジェクトが忙しすぎるもの。
だからといって完全なセフレじゃ寂しいでしょ?
多少の心の通いはほしいわよね?
お互いの利害は一致してると思うけどな」
利害・・・・
利害で付き合うっていうのか?
間宮と・・・?
「だから、これは告白ではなくて提案よ」
「提案・・・」
「いくら仕事が忙しいからって
たまには暇な時間もあるでしょう?
残業が終わった後に飲みに行きたいときもあるでしょう?
私は、あるわ。
だからそんな時間のパートナーよ」
なんだか本当に都合がいい提案に思えたが
都合がいいのは俺だけではなくて
間宮にとっても都合がいいらしい。
「私は、矢野君に本気にならないわ。安心して。
結婚するのはかわいい子を選べばいいじゃない?私は気にしない。
とりあえず、やってみない?」