契りタイム-5
「それじゃあ、俺たちはここで。」居酒屋『久宝』を出た所で、堅城が後頭部のこぶをさすりながら言った。
久宝がミカにレシートを手渡した。「ここから先はお二人の素敵な時間。邪魔しちゃいけねえよな。」
「悪いね、気を遣ってもらっちゃって。」
「いいんすよ。こっちこそ、いつも飲み代持ってもらっちゃって・・・。」
「明日、お祝いの宴会しようか。」美紀が言った。
「何の?」ミカが言った。
「あんたと海棠君がめでたく結ばれたお祝いだよ。」
「え?今日の明日だよ?連チャンか?」
「だって、先輩今日は飲まなかったじゃないっすか。今度は俺たちが持ちますから。」
「また刺身の盛り合わせ、おごったげますから、明日はがんがん飲んでくださいよ。」
「そうか!いいねいいねいいね!」ミカは顔を輝かせた。
「せ、先輩、張り切りすぎ。」ミカに腕を捕まれているケンジが小さな声で言った。
「よしっ!海棠!みんなの厚意はありがたく受け取ろう。んじゃ今夜は張り切って、」
「先輩っ!」ミカの言葉を遮り、またケンジは真っ赤になった。