カノジョの定義-14
「ああんっ、陽介……あたし……おかしくなっちゃう!」
ついにカーペットの上で仰向けになったあたしは、姿見の前で大開脚をして赤く熟んだ淫らな果実を映し出す。
きっと白く濁った淫液は、お尻の方まで垂れてしまっているに違いない。
なおも激しさを増していく指の動きに、次第に意識が飛びそうになる。
「陽介……陽介……ああ……っ、イッちゃうぅ!」
これ以上ないくらいにクリトリスを苛めてやれば、声のボリュームはどんどん大きくなっていく。
そして――。
「やああっ! 陽介っ、イクのっ、イッちゃうの!!」
『いいよ、思いっきりイケよ』
両手を使って淫核と膣口を激しく刺激を与え続け、やがてあたしは陽介の幻と共に臨界点を越えた。
全ての力を出しきったあたしは、糸を切られたマリオネットみたいにダラリと身体を横たえていた。
身体が満たされた反面、虚しさが込み上げてくる。
……あたし、何やってんだろう。
自分のしたことが情けなくて涙がまた流れ始めた。
陽介に対する不安から逃れるために、彼の幻を使って身体だけを満たして。
それでも不安は消えることはなかった。
やっぱり、幻じゃなく本物の陽介に抱かれたい。
会いたさは余計に募るだけだった。
「……陽介」
あなたの笑顔であたしの不安なんか吹き飛ばしてよ。
きっとアルバイト真っ最中の陽介の姿を思い浮かべながら、あたしはポツリと、
「会いたいよ……」
と、呟いた。