カノジョの定義-12
「ああん!」
右手の中指が浅く入り口に入っただけで声が上擦る。
すでに充分過ぎるほど潤っていたそこは、あっという間に手のひらまで汚してしまうほどだった。
無意識に開いていく脚、深く入り込んでいく指。
煌々と照らされた部屋に浮かび上がるあたしのシルエットは、淫らなメスの姿だった。
一心不乱に指を動かしながら、脳裏によぎる最愛の人の顔。
「あっ……、陽介……もっとメチャクチャにしてぇ……!」
陽介しか知らないこの身体を、彼の温もりを必死に思い出しながらあたしはさらに指を激しく抜き差ししていた。
一本だった指が二本に増え、更にあたしの中を激しくかき混ぜていく。
ヌルヌル滑るヴァギナの中は、なんだか肉の突起でデコボコしていて温かかった。
「あっ、ああっ、いい……!」
愛液がたっぷりついた指先を、陽介の舌に見立てて今度はクリトリスにそっと触れる。
「ひゃっ……!」
電気が走ったような快感に、思わず腰がひけてしまった。
でも、陽介ならここで絶対やめない。
いつもなら閉じてしまう脚も、陽介に押さえ付けられている所を想像しながら思いっきり開く。
「あ……っ、陽介……もっと……舐め……て」
左手の中指でクリトリスを優しくこねるように弄れば、熱い蜜がトロトロと下の口から涎のようにたらし始めていた。
爪先だけで膝を持ち上げ、開いた脚に指を滑らす。
そこから奏でられる、クチュクチュという淫らな音。
すでにふやけ始めた指は、未だじっくりクリトリスを弄んでいた。
「陽介……、ああっ……もっと……!」
少し強めに乳首とヴァギナを同時進行で弾いてやる。
爪先に力が入って、限界まで脚を開く。
「陽介……陽介……」
譫言みたいに彼の名前を呼びながら前後にクリトリスを擦り始める。
もっと淫らなあたしを見てほしい。あたしだけに欲情してほしい。
今までの陽介とのセックスでは、決してそんなはしたないことを考えなかったのに、今夜のあたしはもっともっと淫らになりたかった。
ふと横を見れば、縦長の姿見。
陽介に抱かれているときのあたしはどんな顔しているのかな。
彼の目から見たあたしを確かめたくて、そっと身体を起こすとカーペットの上に足をついた。