投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

大陸各地の小さな話
【ファンタジー その他小説】

大陸各地の小さな話の最初へ 大陸各地の小さな話 21 大陸各地の小さな話 23 大陸各地の小さな話の最後へ

『また、明日』-1


 竜騎士団長ベルンハルトは、可愛いものが大好きだ。
 特にプニプニやふわふわの魅力にはいちころだ。 発見したら、思わず近寄り見いってしまう。許されれば撫でくりまわす。
 しかし、自分のごつい外見に似合わないとわかっているから、慎重に隠している。

……もっとも、バレていないと思っているのは、当人だけだが。


 十三歳の夏、ベルンの父が連れ帰ってきたのは、透けるようなプラチナブロンドの可愛い女の子。くりくりした瞳がなんとも言えず愛くるしい。
 カティヤを一目見て、ベルンはほお擦りしたい衝動に身悶えたほどだ。

 柔らかいほっぺたをピンクに染め、
 『おにーちゃんって呼んでいいですか?』
 と、恥ずかしそうに尋ねられた時は、鼻血を噴いて卒倒しかかった。

 盛大に降りかかった鼻血にカティヤは硬直し、『まぁ落ち着きなさい』と、母に締め技をかけられたのは、消したい過去だ。

 とにかくカティヤはベルンにすっかり懐き、いつも後をついてくるようになった。
 可愛くて可愛くて、これ以上ないほど大切な宝物。
いつまでも大切に手元で温め、守り抜こうと思った。

――が。

 壊れ物のように華奢だったカティヤは、ベルンが教えた武芸をぐんぐん吸収し、『竜姫』と称される立派な女騎士に成長し、更には魔眼王子の嫁となりましたとさ。




大陸各地の小さな話の最初へ 大陸各地の小さな話 21 大陸各地の小さな話 23 大陸各地の小さな話の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前