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ナクシモノ〜シスター&ブラザーコンプレックス〜
【学園物 恋愛小説】

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第三話-3

失礼なやつだ。もう雲木に超能力のことを聞くの、やめようかな……。
「ぷ、ふ……く、はぁ、あふ……ふぅ」
大袈裟に深呼吸をする雲木。
「久しぶり笑わせてもらいました」
「よくわからんが、そりゃどうも」
「じゃき!」
雲木は右手でピースを作り、それを目元に当てて不思議なポーズをとった。
「ボク、雲木利乃(くもき・りの)は、これより探偵同好会に参加いたします!」
「はぁ?」
どうしてそうなったんだ?わけがわからない。
「そりゃ嬉しいけどよ」
可愛いうえに明るいし、おまけに紅葉と気があいそうだからな。
「お前、部長なんだろ?パソコン部はどうするんだよ。掛け持ちはダメだぞ」
「問題ありまセン!部長は後輩に譲ります!」
後輩ってと、付属2年か1年ってことになるな。荷が重すぎだろ。
「パソコン部に本校のやつはいないのか?」
「いたらボクは部長なんてやりません、やりまセンよ」
なんで今言い直したんだろうか。まぁいいけど。
「それじゃあ先輩。ボクは行きますんで!」
ボクっ娘はスカートを翻して颯爽と去っていった。その際に白い下着が見えたことは内緒にしておこう。
「時間ロスしちまった」
まぁおかげで雲木が同好会に入ってくれることになったんだが。
「…………」
『一条』と書かれた表札の前に立つ。
さっき雲木はここで、誰かと話していた。『一条先輩』と言っていたから、恐らく一条楓のことなんだろう。
誰かを殺さなくちゃいけない、みたいなことも言っていたが……結局わからずじまいだ。
俺はインターホンのボタンを押し、応答を待った。
『……はい』
「あ、北斗学園本校2年の神代といいます」
『神代……?』
「楓さんはいらっしゃいますか?」
『……私ですけど』
言葉に覇気がない。やはり病気なのだろうか。
「あなたが見た『神様みたいな人』について、教えてもらえませんか?」
『……入って』
ぶつっと応答が切れ、玄関扉がゆっくりと開いた。
「こんばんは」
「…………」
自称美人新聞部員の一条楓は、美人というより可愛いらしい顔をしていたはずだ。少なくとも紅葉が調べた写真に写っていた彼女は、眼鏡がよく似合う長髪美少女だった。
だがどうだろう。今目の前にいる彼女は眼鏡をかけておらず、長かったはずの髪も短く切ったのか帽子で隠れてしまっている。


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