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ナクシモノ〜シスター&ブラザーコンプレックス〜
【学園物 恋愛小説】

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第二話-2

叫び、日向さんは勢いよく裾をまくりあげた。
「っと!」
「は、恥ずかしいんだから、ちゃんと見てよ……」
思わず目を背けてしまった俺に、日向さんは酷なことを言う。
俺だって思春期真っ盛りの男子学生なんだ。女の子の体を見られるはずがない。
「探偵くん、お願い……」
「…………」
俺は顔を上気させながら、横目でちらりと日向さんを盗み見る。
日向さんが「脱ぐ」なんて言うから変な誤解をしてしまっていたが、彼女は裾を胸の下あたりでぎゅっと押さえ、お腹をこちらに見せてきているだけだった。
「見せたいものって、お腹……?」
大丈夫だ。お腹程度なら普段から見慣れている。なにせ俺には……いや、今はいいか。
「それで、お腹がどうかしたの?」
まさか『最近太ってきたからどうにかしてほしい』なんて言われるのではあるまいな。
そう思って肉付きをじっくり観察してみたが、特別太っているようには見えなかった。
「ない、でしょ……?」
「ない?」
何を言っているのかわからず、もう一度じっくりお腹を観察する。
「…………あ」
そして理解した。彼女が言っている意味が。
「触ってみてもいいかな?」
「え……?い、いいけど……」
了解を得、その部分を軽く撫でてみる。
「んふぁ」
日向さんが甘い吐息を漏らした。
「ご、ごめんなさい!」
俺はびっくりして思わず手を離す。
「う、ううん……」
裾を下ろし、ふぅと息をつく日向さん。
「へ、変だよね……?」
「あー……紅葉がいれば詳しいことがわかるんだけど」
「そ、そっか……まぁ今さら期待はしてないから、本気で治してもらおうなんて思ってないんだ〜」
「調べてはみるよ」
「ありがと、探偵くん。じゃね」
よほどお腹を見られたことが恥ずかしかったのか、日向さんは顔を赤くしたまま部室から退室してしまった。
「…………」
本来人間のお腹にあるはずのモノ。それが日向さんにはなかった。
「ありえるのか……?」
紅葉がいればパパっと調べてくれるだろうけど、残念ながら今は部室にいない。
「自分で調べろってことか」
紅葉ほど詳しくはないし、タイピングタッチもできないけれど、俺だってパソコンぐらい使える。使えるはずだ。


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