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ナクシモノ〜シスター&ブラザーコンプレックス〜
【学園物 恋愛小説】

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第一話-1

PCのキーボードを叩くカチャカチャという音が室内に響いている。
「暇だな」
PCを弄っている紅葉に話しかけてみるが、返事どころか反応すらない。
「よーし、暇潰しに紅葉のあだ名を考えてやろう」
「…………」
やはり反応はない。
「小倉紅葉、だから……おぐ、もみ……ぐらじ……」
割と真剣に紅葉のあだ名を考えてみるが、中々いいのが思いつかない。
「パソコンに詳しいからな……おぐ、パソ……お!もみパンとかどうだ!?」
「……イヤ」
視線はPCモニターのまま、紅葉は一言で俺の考えついたいいあだ名を却下する。
いいと思うんだけどな、もみパン。
「仕事、探してきたら……?」
「ニートの彼氏に言いそうなセリフだな」
などと返してみたが、紅葉は呆れたのか返事をしてくれなかった。
「いっつもペットの捜索、告白の手伝いとかありきたりな依頼しかこねーしなー」
「……仕事は仕事」
紅葉にもっともなことを言われる。俺にとっちゃ些細なことかもしれないが、依頼人にしてみれば重大なことだからこそ、素人とはいえ高校生探偵である俺に依頼してきたんだろうしな。
「殺人事件でも望んでいるの……?」
「そんなことはないけど、例えばストーカーを撃退してほしいとか、それぐらいの依頼があってもいいんじゃないか?」
「……平和なのが一番」
またしてももっともなことを言われ、俺は苦笑するしかなかった。
コンコン――しばらくしてノックの音。待ち人きたれりってやつか。
「どうぞー」
促すと部室の扉が開かれ、二人の女生徒が入ってきた。一人はもう片方の女生徒を支えている。
「依頼ですか?」
「依頼……ああそうだ。お前が噂の神代智也だな?」
支えてあげているほうの女生徒に睨まれる。何かしたっけ?
「多分そうです」
とりあえず椅子(生徒用の椅子ではなく、ちゃんとしたソファ)に座ってもらい、睨んでくる女生徒のほうに名刺を手渡す。
「本格的なんだな」
「遊びでやってるつもりはないですから」
ちなみに名刺には『北斗学園本校生2年1組 探偵同好会会長 神代 智也』と書いてあり、裏には俺の携帯番号とアドレス、ついでに『瑞希LOVE』という文字が書かれてある。瑞希ってのは……いや、今はいいか。


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