第一話-5
すげぇなパソコンの検索機能。今度紅葉がいない時に、エロいサイトでも検索してみっか。
「どれどれ」
紅葉が一番上に表示されているサイトに飛び、内容を確認する。
北斗学園新聞部のサイトへようこそ!
こちらは北斗学園の美人新聞部員こと私、一条楓が学園内のあらゆることを赤裸々に綴っていく学園公認のサイトです!
「自分で美人とか書いちゃってるよ」
で、肝心の『神様みたい』に触れている記事はどれだ?
「お、それじゃないか?」
紅葉がホイールで画面をスクロールさせていると、俺が紅葉より先にそれらしき記事を見つけた。
記事のタイトルは『神様みたいな人なんです!』
うわ、すっごく胡散臭いんですけど。
紅葉が目線だけで「読むの?」と問うてくる。
「一応な。もしかしたら関係あるかもしれないし」
紅葉はクリックし、二人で画面の文面に目をやる。
どうやらこの記事が書かれたのは二ヶ月前のようだ。内容はっと……。
どうも!毎度お馴染み一条楓です!
いや〜暑くなってきましたね〜!もう7月になりますし、当たり前かもしれませんが(笑)
では早速本題に入りましょう!
私は神様みたいな人を見つけたんです!どうしてそう思ったのかと言いますとですね、
ごくり。いよいよ神様とやらの正体がわかるかもしれない。
なんと!先日亡くなった私の姉の彼氏に似ていたんですよ!すごくないですか!?
「知らねぇよ!?」
「……続き、読む?」
「いや、いい」
期待した俺が馬鹿だった。恐らく続きは生まれ変わりだとか、そういうことが書かれているのだろう。
「はぁ……振り出しに戻っちまった」
「……一条楓に、会ってくれば……?」
この記事を書いた自称美人新聞部員とやらに?
あったところで何か貴重な情報を得られるとは思えないけど、他に何か手がかりがあるわけでもないしな。
「そうするか……」
はぁ、とため息をつく。
「……本校、2年5組」
PCモニターに一条楓の情報が表示される。
「すげぇな。こんな個人情報までサイトに載ってんのか」
「……学園のPCにハッキングをかけた」
「ハッキング……?ってそれ、たしか犯罪じゃないか?」
「ガードが甘いのが悪い……」