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a four-leaf clover
【女性向け 官能小説】

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セフレだった女-3

……くるみ?


聞き覚えのある名前に、眉根が歪む。


この短い時間の中で必死に記憶の糸を手繰り寄せて出た答えは、あたしが陽介と初めて出会った時のこと。


忘れもしない、陽介との最悪な出会いは、大学の経済学概論の講義だった。


座る席が無いほど学生でごった返す教室。あたしは真面目に講義の内容をルーズリーフにメモったり、教科書にアンダーラインを引いたりしていた。


そんなあたしに声をかけてきた陽介。この講義は出席票に講義で教授が発表する「今日のキーワード」を記入し、それを提出して初めて出席扱いとなる。


陽介は、初対面のあたしに「今日のキーワード」を訊ね、予め所持していた出席票をあたしによこし、あろうことか「提出しといて」とあつかましい頼み事をしてきたのだ。


でも、真面目が取り柄のあたしは、そんなインチキを許せるはずもなく、彼の頼みを一蹴してやった。


そんなあたしにしつこく食い下がる陽介は、「お母さんが病院に運ばれたから行かなきゃいけない」と悲しそうに呟いた。


単位は落とせないけど、病院にどうしても行かなければいけない。そんなやんごとなき事情に、つい頼みを聞いてあげそうになっていたその刹那、彼の携帯にお母さんから電話がかかってきた。


……と思ったら、奴はしれっとした顔でこう言ったのだ。


「あ、クルミ? うん、今すぐ行くから。……うん、 今日は泊まれるんだろ? 生理はおわったんだよな?」


明らかに若い女の子の声が携帯から漏れて、生理の周期まで気にして。これ、お母さんなわけがない。


訝しく思いながら、クルミさんの存在について訊ねてみると、陽介はぬけぬけと「母ちゃんのように温かく俺を包み込んでくれるオトモダチ」とのたまったのだ。


点と点が繋がった。


船川くるみさんは、あの時生理が終わったから陽介の家にお泊まりをする約束をしていた、あのクルミさんだ!


あたしは思わず目を丸くして、くるみさんの顔をマジマジと眺めた。




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