色々な初体験-3
遠藤君の大学の最寄り駅で降りて
何度か通ったその道を迷いもなく歩くと大学まですぐに着いてしまった。
大学の門をくぐり
さて、どうやって見つけようか。
驚かせるには携帯で連絡をとるのは
最終手段にしたい。
「あ！凛さん」
いつか遠藤君に変なプレゼントのアドバイスをくれた人。
名前なんか覚えてないけどね。
「今日はどうしたの？」
「ん。遠藤君に会いに」
「・・・・遠藤に？」
「うん。どこにいるか知ってる？」
「近頃よくあってるみたいだね。遠藤と付き合ってるの？」
「・・・・・」
答えられないじゃん。遠藤君のバカ！
「・・・・・遠藤なら、あ・そ・こ」
アドバイス君の指さす方を見てみると
木陰になったベンチで
女の子と談笑してる。
あ─────
あんなふうに大声で笑うんだね。
あたしといるときはほほ笑むように笑う遠藤君。
二人を見ていたら切なくなってきた。
こんな気持ちも初体験だわ。