モンスターVSモンスター 前編-2
次の日、田口と佐川は職員室に呼び出された。担任の江崎智之に呼び出された。
「おまえら昨日廊下を走ってたそうだな?」
「は、はい…」
特に嘘はつかず素直に答えた。
「廊下は走っちゃいけないだろ?」
「は、はい…。スミマセン。」
謝る2人に執拗には怒らなかった江崎。一度溜め息をついて言った。
「まぁ元気な証拠だけどな?でも相手が悪かったな…。」
「相手って…?」
「あ、いや…こっちの話だ。まぁ父兄の姿を見た時ぐらいは素行良くしてくれるか?な?」
「あ、はい…。すみませんてした。」
頭を下げて謝る2人にそれ以上の事は言わなかった。2人は職員室を出る。
「昨日のオバチャンがチクったんだよ、ゼッテー!誰だよあのババァ!」
佐川が苛つく。
「ほら、うちの健介って言ったよな?それ、アレじゃね?6年の…」
「あ、アレか!『君達とは住む世界が違うんだよ?』の樽美首健介か!」
髪をかきあげ顎を上向きにして人を見下すような言い方の真似をした。
「だろ?きっと。するとアレが超煩いモンスター・ペアレントか!」
「間違いねぇよ、ゼッテー!」
樽美首健介…離婚したが父は樽美首友というプロ野球選手、母は紗栄子というモデルをしているボンボンだ。離婚した際に莫大な慰謝料を受け取った紗栄子はセレブ気取りで贅沢な暮らしをしている。しかし何故か名前はそのまま名乗っている。となると教頭さえも恐れるあのモンスター・ペアレントが樽美首紗栄子と言う事になる。健介から学校の問題点を聞くとすぐに教頭の元を訪れ問いただしていく厄介者だ。
「あいつが噂のモンスター・ペアレントか!たしかにムカつく奴だわ!」
「あの親あってのあの息子だな。」
「親子揃ってムカつく奴らだ!」
佐川は相当怒っていた。
「まだ若かったな。」
見た目は相当若い。茶髪でふわっとするように軽くパーマをかけている。服装によってはまだまだギャルに見える。
「まだ28歳ぐらいだって話じゃん?」
「高校時代からモデルしたけどすぐにあの樽美首とデキ婚したんだったよな?セレブ気取りで周りの人間からは煙たがられてんのを知ってても気にもしない女だって聞いた事があるな。」
「離婚して金いっぱい手にしたから評判とかどうでもいいんだろうね!羨ましいや!」
皮肉たっぷりに言う。
(いい女だし28ならまだギリギリ犯れるかな…?あの女が悲鳴を上げて泣きすがる顔…見たいな…。)
紗栄子をレイプのターゲットにしようと考えた田口。今、モンスター同士のレイプバトルの幕が開けた。