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あいかわらずなボクら
【青春 恋愛小説】

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VS桃子-5

へこんだ気持ちは翌日になっても払拭できず、学校でも一日中悶々と過ごしていた。


ニヤニヤした歩仁内には“どうだった?”と訊かれたが、当然石澤家での出来事をバカ正直に話す気にはなれず、“まあ、それなりにな”と適当にごまかしておいた。


石澤の熱は結局次の日も下がらなかったようで、やっと学校に来たのはさらにその次の日のことだった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「もう、ちゃんと治ったのか?」


俺は、非常階段の柵にもたれかかりながら、石澤の顔を見た。


梅雨明け宣言を発表されたばかりの、抜けるような青空がやけに眩しかった。


「うん、大丈夫」


石澤も俺の隣にやってくると、同じように柵にもたれかかってきて、ニッと笑いかけた。






昼休み、俺達は非常階段の最上階の踊場にいた。


いつもなら、昼飯を食べ終えてから天気がよければここに来て、くだらない話で笑い合ったりしていた。


だけど、今日は昼飯はここで食べたいと珍しく石澤が言い張るので、四時限目が終わってすぐに二人でこちらに移動した。


「……はい、これ」


石澤は自分の弁当の包みと、それとは別の紙袋を持ってきており、俺に紙袋の方を手渡した。


今朝、彼女に“今日は購買で何も買わないでね”と言われた時点で薄々気付いていたが、とりあえず


「……何これ?」


と、訊いてみた。


「お見舞いのお礼」


素っ気なくいう石澤に気付かず、予想を的中させた俺はワクワクしながら紙袋から少し大きな弁当箱を取り出した。




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