咲畑梨深-1
「ビシィ!おはよ、タク」
「梨深、おはよ……」
「どーしたータク?何か嫌なことでもあった?」
「…………」
あやせが妄想して生まれた存在、それが僕なんだと言われた。
それじゃあまるで、西條と同じじゃないか。西條もオリジナルの西條の妄想によって生まれた存在で、本来ここにいるべき人間ではない。いや、そもそも人間ではないのかもしれない。
「もしもーし」
僕があやせ以外の女の子と肉体関係を持つと、どういう理屈なのか存在が不安定となるらしい。
存在が不安定になるとどうなる?もしかして俺、消えてしまうのか?
「ねぇタクー!無視しないでってばー!」
「……梨深。僕とセックスしないか?」
だけど僕は、それでも梨深とセックスをするんだ!消える確証なんてないんだから、楽しんでやる!
「え?な、なに言ってるのタク!そういうことは、場所を選んで言ってほしいな〜……なんて。たはは」
「?」
周囲には翠明学園の制服を着た生徒たちの姿。
……そうか。ここは教室だったな。
俺はギガロマニアックス。妄想を現実にすることができるんだ。
妄想する――地下鉄車両の中。乗客は僕と梨深の二人だけ。停車はせず、永遠に走り続ける。
「ようこそ梨深。俺の世界へ」
「た、タク……?」
俺は梨深をドアへ押しつけた。
「ひゃっ、タク……?」
目の前に梨深の顔がある。あやせのようにスタイルがいいってわけじゃないけど、それでも十分すぎる魅力のある体がある。
「梨深……」
「んっ!?」
俺の唇で梨深の唇を塞ぐ。僕の唇で梨深の唇を塞ぐ。
「んんっ」
キスをしたまま左手を動かし、梨深の制服の中へと侵入させる。
「んっ」
柔らかな胸。揉みごたえのある胸。ビンビンになった乳首。
「ん、はぁ……梨深、感じてるの……?」
「だ、だってタクが……」
「可愛いよ、梨深」
「んっ」
再び唇を塞ぎ、互いの口の中に舌を滑り込ませる。左手で胸を愛撫するのは忘れない。
「んあっ、んちゅ……」
左手を移動させ、今度は梨深の下半身へと持っていく。
「んは、はく……」