rink〜01-1
はぁ〜つまんないのぉ…
窓の外からせわしなく声が聞こえる。
「きゃあぁ♪九条センパイ。」
「ネクタイ下さい!!」
…元気だなぁ…ああいうのを女の子っていうんだろうなぁ…
…だぁれも来ないし…寝るか!!!!
………ガラ
「すいません。少し手伝ってもらえませんか?掃除当番の生徒ですよね。」
「…っ。あっはい。」
「君1人?他の生徒はどうしたんですか?」両手に植物を抱えて階段を登りながら彼は言う。
「えっと…」
私は外を指差した。
「…です。」
「あぁ…」
彼も外をみながら応える。
「今日は卒業式なんです。友達はセンパイやらと話し(喚い)てますよ。」
苦笑いしながら言う。
…新卒の先生かな…私を理科室で叩き起こした(被害妄想?)彼は…っ若い…上にっ美形…髪…ロング似合う男の人初めて見た……麻衣ちゃんたち後でこっちの方が良かったっていうんだろうなぁ…
「はい、これで終わり。」
にこやかに言い放つ。
こいっつ顔キレイだけど人使い荒っ!!苗木とかプランター運びは中2の女の子には辛いゎ…ここは素知らぬ顔してとんずらね。
「お疲れ様でした…では失礼しま」
「あっまだここの清掃が残っているんですけど…」
そっんなぁ〜…甘くはなかったのね…
「…分かりましたぁ。」
瞬時、彼が笑ったのが分かった。
……。イヤなやつぅぅ〜
「はい!!これ。」
モップを手渡してやってやる。案の定きょとんとしている彼。
「人、いないから。」
…してやったり。
彼はふっとまた笑ったのだろうか。…優しい、懐かしい感じ…がしたような気がした。
「…来賓の方ですか?」
分かっていながら問う。
「いや…来年度からここの教師ですよ。」
また笑ってるぅ…
「それに来賓は清掃、しないでしょう!?」
「…するかもしれないじゃないですか。」ふくれながら応える。それに新卒がなぜに今の時期にいるのよ?!
「…理科の松代先生に頼まれて…私が早く入ることになったのです。」
あぁ…そういやそんな噂聞いたことある…お身内に不幸があったって。お気の毒に…