近藤→遠藤-1
電話の音で目が覚めた。
昨日はそんなに遅くに寝てないはずなのに
太陽は結構明るくて朝早くないんだってそれだけはわかった。
鳴り響く携帯に、近藤君を起こしちゃいけないと寝ぼけたまま通話ボタンを押した。
「はい」
「凛?」
多少焦ったシュウの声にこちらも目が覚める。
「どうしたの?」
「・・・・」
「シュウ?」
「どうしたの、じゃねーよ。昨日から何回もメールしてるんだけど?
何かあったか?」
全く気がつかなかった・・・
「今日出れる?大学は?」
「今日は出られない」
即答する自分に驚いて寝ている近藤君を見る。
「は?大丈夫か?」
「うん。平気。でも大学は休む。また連絡する」
「おい・・・ちょっ・・・りん!」
シュウが話しかけているのも構わずに電話を切った。
これ以上話してたら近藤君が起きちゃうよ。
そっと寝顔に手を当てる。
あ・・・熱がだいぶ下がったみたい。
短くなった髪はすっきりして
以前よりいい男に見える。
いつもはメガネで隠されている顔も意外といい男じゃん。
髪を優しく撫でていたら
とってもほんわかした気持ちになった。