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淫夢Maker 来須野心
【ファンタジー 官能小説】

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第1話 ドリームメイカー-2

 すると何やらメディアプレーヤーが再生を始めた。
 「な、何だ??」
画面を見つめる野心。すると文字が映し出された。
 『香川隆信の夢』
驚いた野心。
 「えっ…!?」
自分が書いたタイトルだ。一体何が起きたのか分からなかった。さらに驚いたのは自分が書いた物語が全て映像化されている事だった。
 「な、何だよこれ!?」
全て忠実に映像化されていた。もしかしてこれ自体が夢なのかと思い頬をつねる。
 「い、痛てぇ…!」
力が入りすぎ赤くなる。はっきりと分かる…これは夢じゃない、と。野心は最後まで流れる映像を見てみた。
 「か、完璧に再現されてんじゃん…。どうなってんだ…?」
何か君が悪い。しかも勝手に【ドリームメイク】というフォルダが作られ保存されている。
 「こ、恐っっ!!」
野心はパソコンを切り怯えながら寝てしまった。
 翌朝、隆信がウキウキしながら野心に話しかけてきた。
 「俺さぁ、昨日京子ちゃんから告白されて付き合う夢見たんだよ!」
 「えっ…?」
ドキッとした野心。隆信は嬉しそうに話し続ける。
 「しかも放課後の誰もいない教室でオッパイ揉ませてくれたんだぜ!?サイコーだったよ!今日もあの夢見たいなぁ!」
 「…」
内容が昨日自分が作った物語と同じだった。ますます恐くなる野心。
 (ぐ、偶然だよな…?)
一日中モヤモヤしながら授業を受け帰宅してパソコンを開く。
 「ま、まさかね…」
野心は試しに新たな物語を書いてみた。するとまたまたそれが映像化されてしまった。
 「な、何だよこれ…!?もし隆信がこの夢見たらいよいよ…」
よくよく考えれば自分の作った夢がそのまま他人の夢となり現れるという事は楽しい。恐怖から楽しみへと気持ちが変わった瞬間だった。
 翌朝…。
 「野心〜!また京子ちゃんの夢見ちゃったよ!!」
 「そ、そうなんだ…」
どんな夢か非常に興味があった。
 「昨日はね、俺が京子ちゃんと結婚してさぁ!毎晩京子ちゃんがメイド服着てご飯作ってくれる夢なんだよ!もうサイコー!!」
 「…」
野心の書いた物語通りだった。
 (というと、書いた物語が映像化されたあの動画は主人公にした人の夢となり実際に現れるんだ…)
野心は確信した。ただそれがパソコンの特殊能力だと思い、実は自分の特殊能力だと気付くまでには時間がかかる事になるが…。
 以降、野心は隆信の夢に飽きたらずクラスメートの夢をプロデュースしていった。
 (昨日安田君はあの夢を見たんだよな…。)
口には出さないがクラスメートの佐川明子とキスしまくる夢を見た事確実な安田を見ていると何だかワクワクしてどうしようもなかった。毎日が楽しくてしかたなかった野心だった。


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