世界中の誰よりもいちばん-16
グチョグチョと淫靡な音を立てながら、
荒々しい嬌声と共に僕を求める秋子さんの言葉が聞こえる。
「なら…… もっときつく…… んんっ…… もっと激しくしてくれていいからっ」
「で、でもっ……」
「そ、それとも何か? 君が私を欲する気持ちと言うのは…… んんっ…………
この程度の…… もの…… だとでも言うのか……? あっ はぁっ…………」
いつにも増して挑発的な言葉を発する秋子さんに、
すっかり煽られ興奮を掻き立てられた僕は、
まるで理性のかけらも見えないくらい野性的に、
それこそ本能の赴くまま、いっそう激しく腰を動かしはじめた。
「あっ…… そこっ…… すごい当たって………… あっ…… やっ…… んんっ……
「くっ 秋子さんのなか…… す、すごい締まってますっ」
「だ、だって…… だって和也のがっ…… あんっ…… すごくいい場所にっ……」
「いい場所って…… ここの事ですか?」
「はぁっ………… そこっ そこがすごくっ んっ…… いいっ…… はぁっ……」
あんなにも後ろからされるのを恥ずかしがっていた筈なのに、
今日の秋子さんは驚くほどに淫らで、
普段口にする事の無い言葉を口走っては、
むしろそんな自分に興奮しているようにも思えた。
「んっ すごいっ あっ…… そこっ そこが気持ちいいのっ…… んんっ…………」
「あ、秋子さんっ………… 駄目ですっ 僕もうっ」
「やぁっ…… まだっ まだ我慢してっ! あっ そこっ………… い、いいっ
んっ も、もっと激しくっ あぁっ…… そうっ 和也っ 愛してる…………」
突然、予想外の言葉を耳にして僕は大きく動揺してしまった。
今まで秋子さんの口から愛してるなんて言葉、聞いた事あっただろうか?
「あ、秋子さんっ 今日はホントに…… どうしたっていうですか?」
「んっ…… どうって………… あっ だめぇ い、イっちゃいそう…………」
その言葉を聞き僕は、思わず反射的に腰を大きく突き上げると、
背中を反らせ一瞬言葉を失った様子の秋子さん。
けれど、すぐに溜息交じりの大きな嬌声を吐き出したかと思うや、
ガクガクと激しくその身を震わせながら、
まるで倒れ込むように、力無くベッドに崩れ墜ちていった。