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ようこそ花咲女子寮へ
【ラブコメ 官能小説】

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不可抗力だもんね-22

「和也? どうしたの、急に黙りこんじゃって?」
「ご、ごめんっ ちょっと………… 何がなんだかわからなくなっちゃって」
「あはは、まぁ気持ちはわかるけどね…… そんなに深く考え無い方がいいよ?
 先輩はかなり特殊だし、そもそもがそんな先輩を君は愛しているんでしょ?」
「それは………… まぁ、そうなんですけど…………」

そう言いながらも僕は、どうにも納得出来ないまま大きな溜息をついていた。

───形などいらぬ、唯一無二の女であればそれでいい

いつか秋子さんが僕に言った言葉。
つまりあれこそが秋子さんの本音という事なんだろうか。

「ねぇ和也? いっそ私に乗り換えてみる?」
「…………えぇっ? な、何言ってるんですかっ」
「いやいや、割と真剣なんだけど駄目かな?」
「よ、余計に駄目ですよっ 僕が秋子さんを好きなの知ってるでしょ?」
「ふーん………… じゃぁ私の事は嫌い?」
「そ、そんなわけないでしょ………… 怒りますよ?」

うつ伏せに寝転がり、足をパタパタさせながらとんでもない事を言い出す美咲さん。
さっきまであんなに従順で可愛らしかったのに、
少しでも自分が優位に立てると判断したらこの変わりよう。
やっぱり僕に女心はまだまだ理解不能な領域みたいだ。

「昔も今も恋は盲目、どんなに愛されていようと本人は不安でしょうがないのよ」
「な、ならそれこそっ 相手が自分以外の誰かと身体を合わせるなんて事…………」
「まぁ…… 普通は許されない事だよね?」
「そ、そうですよね? 僕の考えは間違ってないですよね?」
「でも君の相手はあの先輩───業界きっての異端児、望月秋子なんだよ……」
「…………はい」
「先輩にとって悩めるクランケは家族も同然、
 その大切な家族を、これまた家族以上に想う君に委ねているんだからさ、
 余程の事で無い限り、すべて親心で許してしまうんじゃないかな?」

美咲さんは、指先で僕の鼻を突っつくと、
相変わらずの意地悪な笑みを浮かべて僕を見つめていた。

「余程の事か………… 身体を合わせるのは余程では無いんでしょうかね?」
「いや、言ったよね? あくまで『クランケが申し出て君が了承すれば』だよ?」
「それってつまり…… 同意の上ならって事ですよね?」
「うん、それもここ花咲女子寮においての双方の同意、
 つまりはそれが互いにとって必要な手段とあらばって事じゃないかな?」


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