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ようこそ花咲女子寮へ
【ラブコメ 官能小説】

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不可抗力だもんね-21

身体を丸め恥ずかしそうに僕に背を向ける美咲さん。
いつも自信満々でつけいる隙など見あたらない人だけに、
なんだか僕はちょっとした優越感を感じてしまった。

「美咲さん?」
「……………………なによぉ」
「可愛かったですよ?」
「な!? う、うるさいっ ばかぁっ!」

僕に枕を投げつける美咲さん。
いつもこれだけ可愛かったら、もう少しくらい僕も素直になれるのになぁ……

「はぁっ…… それにしても夕食一回分かぁ……」

僕が何の気無しにそう呟くと、ふと、美咲さんがとこちらを向き、
少し怯えた表情で僕に語りかけた。

「や、その話はその………… 出来れば内密にして欲しいかなと……」
「これは秋子さんにもキツイお仕置きしなきゃな…………」
「ね、ねぇ? 私の話、聞いてるかな?」
「美咲さんには手加減したけど秋子さんには…………」
「て、手加減??? あれで? ちょ………… ねぇ和也? ねぇってば……?」

横たわり天井を見つめながら、ぶつぶつと独りこの後の事を考える僕。
美咲さんが何やら言っているようだけど、
気が散るから右手で胸元へと押し付け、少し黙ってもらう事にした。

「うにゃ………… 和也ぁ………… 話聞いてってばぁ…………」

バタバタと腕の中で暴れながらも、けれどなんだか少し嬉しそうな表情の美咲さん。
つくづく女って生きものはわけがわからない…………

「はうぅ…… ご、誤解無いように言っておくけどね?
 先輩は別に和也が誰かとSEXしても…… きっと何も変わらないと思うよ?」

ふいにそんな意味深な言葉を耳にした僕は、
思わず驚いて美咲さんの顔を覗き込んだ。

「な、なんですかそれ?」
「いや、だからさ………… 名目上この寮では性交渉禁止ってなってるけど、
 クランケが申し出て、君が了承すれば、それもやぶさかではないと思うのよ」
「そ、それって………… いや、それより秋子さんがそんな事を???」

僕は食い入るように美咲さんを見つめながらも、
混乱する頭の中を必死で整理していた。

「いやいや、別に先輩がそう言ったわけじゃないけどね?
 先輩が気に病むのはあくまで君が側にいなくなる事であって、
 性交渉なんてあくまで自慰行為の延長程度にしか思ってないって事よ」

そんな美咲さんの言葉に、またしても僕の頭は混乱を極めた。

性交渉は自慰行為の延長───確かにそれはそうかもしれないけれど、
果たして愛し合う男女にそんな理屈が通用するものだろうか?
少なくとも僕は秋子さんが誰かとSEXする事を、
いかにそこに恋愛感情が無いと言われようとも許す事は出来そうにない。


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