私にも気持ちいいこと教えて下さい-23
「はぅ………… え、遠藤さん?」
教えてくれだなんて言葉では言っていたものの、いざ僕に抱きしめられるや、
どうしていいのかわからない様子で、途端に体を硬直させる風音。
「緊張する?」
「そ、それは…………」
「そもそも僕に体を触れさせても大丈夫なの?」
「あ、うん………… 遠藤さんだけは不思議と悪い気がしないの…………」
なんて光栄な事を言われ少し嬉しくなるも、
どちらかと言うと緊張しているのは僕の方かもしれない。
「それじゃぁ…… その………… よろしくお願いします」
「あ、うん………… ってなんだかあらたまられると照れくさいな」
さて、教えるとは言えどうすればいいのだろうか?
雪菜や雫は出会った当初から当たり前のようにひとりでしてたから、
こっちもある程度気兼ねなくそこに触れる事が出来たけれど…………
「と、とりあえずこういう事する時は、まずそういう気分になるのが大切なんだ」
「…………うん」
「だから………… まずはいつものようにエッチな妄想でもしてみようか?」
「え、エッチな妄想を………… ですか?」
「うん、だってそれを解消する方法を知りたいんでしょ?」
「そ、そうですけど………… いきなりそんなこと言われても…………」
風音は頬を赤らめうつむきながらも、
少しの間黙り込んでは、すぐに何かよからぬ妄想に心奪われていったみたいだ。
「どう? なんだかエッチな気分になってきた?」
「……………………す、少し」
「ちなみにどんな事を妄想してたの?」
「そ、それはっ…………………… 秘密です…………」
僕が耳元でそう囁くと、恥ずかしそうにいっそう顔を赤らめる風音。
「じゃぁ、まずは胸を軽く触ってごらん?」
「む、胸を………… ですか?」
「うん、そっと手で男の人に揉まれているのを想像しながら…………」
「んっ………… な、なんか………… よくわかんないです…………」
言われた通り風音は、布団の中で自分の胸を揉んでみたようだが、
どうにもピンと来ない様子で小首を傾げていた。
「何も感じ無い?」
「はい、なんだか少しくすぐったいと言うか…………」
苦笑いする風音。
「だ、だって………… 男の人に触られた事なんてないんだもんっ
どうやっていいのかなんて…… そんなのわからないです…………」
「それはそうだけどさ…… そこは持ち前の妄想でなんとかしていただかないと……」
風音は僕の言葉にまた少し顔を赤らめるも、
上目遣いで僕を覗き込んでは突然、
「じゃ、じゃぁっ! 遠藤さんが触って教えてくださいよ?」
なんて言葉を返してきた。