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ようこそ花咲女子寮へ
【ラブコメ 官能小説】

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私にも気持ちいいこと教えて下さい-22

「ど、どうなるんですか?」
「え?」
「触るとその………… どうなっちゃうんでしょうか?」
「さ、触ると? それはその…………」
「触るだけで欲求不満が解消されるなんて………… 私にはとても…………」

つまりはそう言う事みたいだ…………
知識と言えど風音のそれは、あくまで教科書的なものでしかないのだ。
考えてみれば教科書に快楽なんて言葉載っているわけないし、
ましてやマスターベーションのやり方なんて事細かに説明されてるわけでもない。
悪い事じゃないですよとか、自然の行為ですよとか、せいぜいその程度なのだろう。

「そ、それはさ………… その…… してみれば解ると思うよ?」
「だ、だからっ そのやり方がわからないんですってば…………」

禅問答のような不毛なやりとり。
もちろん言葉を濁している僕がいけないのだろうけど、
いくらなんでも快楽を言葉で伝えるなんて事、さすがに僕には荷が重すぎる。

「それにやっぱり恐いんです…………」
「え?」
「遠藤さんに聞いてもらって、悪い事じゃないよって言われて理解はしたけど…………
 それでもずっといけない事だって思っていたんだから…………
 ひとりでそういう事するのが、なんだかとても悪い事するみたいで…………」
「い、いやっ だってそういう事は文字通りひとりでする事であって…………」
「だ、だって! 積木さんや雨宮さんには…………
 いつもそういう事のお手伝いをしてあげてるんでしょ?」

僕はその言葉に返す言葉が無かった。
確かに、いや、むしろそれこそがこの寮における僕の役割なのだから。

「ずるいです………… せっかく勇気出して打ち明けたのに…………」
「ま、待って待って! 少し頭を整理させて?」
「いいですもうっ………… やっぱり私はこのままずっと…………」
「か、風音ちゃんっ そんな拗ねないでよ…………」

すっかりいじけた様子で頬を膨らませては潤んだ目で僕を睨む風音。
さっきまでの悲しそうな瞳とはまったく別物、
それはまるで辱められた後の悔し涙のように見えた。

「いやその………… ホントに僕なんかでいいのかな?」
「…………遠藤さん以外、誰にこんな事頼めばいいんですか?」

口を尖らせたまま、プンプンと効果音が見えそうなくらいに、
未だかつて見た事の無い幼い雰囲気をかもしだす風音。
そんな姿に思わずときめいてしまう僕のほうが、風音曰く変態なのかもしれない。

「わ、わかったから………… そんなに怒らないでよ……」
「怒ってなんていませんっ」
「はいはい………… しょうがないなぁ…………」

僕はベッドに登り体を壁にくっつけると、
そっと風音を引き寄せ後ろからその体を抱きしめていった。


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