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DEATH
【SF その他小説】

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第三部 能力の代償-1

2012年4月6日金曜日午後3時18分、ひと気の無い一本の路地に神奈や真十、宮内がいて、大室の死体があった。
真十は大室の死体を目の当たりにして、動揺していた。
神奈は息を荒く吐いて、全身から汗を出し、かなり疲れている様子だった。
宮内は大室の死体を見て、神奈に問う。
「大室…死んだのか…?
お前がやったのか…?どうやって…殺した?」
神奈はそれを無視して、逆に彼に問う。
「誰に…雇われた?」
宮内は舌打ちをして、ポケットから拳銃を取り出し、彼女に向け、即座に発砲する。
しかし神奈は銃弾をギリギリに躱し、左頬に擦り傷を残し、タラ〜と血を流す。
銃弾は壁に減り込んでいた。
直様、神奈は右腕を振るい、その動いた右腕の軌道から半透明の物質を宮内に飛ばす。
宮内は直感的にそれを躱すが、避け切れず、右腕にそれを直撃させてしまう。
そして彼の右腕はボトッと落ちて、血を大量に吹き出し、周囲に飛び散る。
宮内はその切れた腕の関節を押さえる。
「痛えぇえええええー。
痛えー、痛えー、痛えー…。」
そのまま壁に持たれる。
「糞ったれ、血が…とまんねえ…。
どうなってる…。何しやがった…女ー…。」
真十はその光景を見て、唖然としていた。
神奈は急にしゃがみ込み、頭を両手で押さえる。
真十は彼女を心配する。
「どうした?」
神奈は苦しそうな表情を浮かべ、頭を押さえる。
真十は心配し続ける。
「どうしたんだよ、オイっ。頭が痛えのか?」
その隙に宮内は走って、逃げ出す。
真十はそれを見たが、それよりも彼女を心配する。
「大丈夫だ…。もう終わった。」
神奈は痛みで声も出なくなっていた。
真十は立ち上がり、ポケットから携帯電話を取り出し、警察に電話を掛けようとする。
「ちょっと待ってろ…。今直ぐ警察呼んでやるからな…。」
「止めて…。」
神奈が苦しそうな表情を浮かべ、言う。
「は?何で?」
「警察は…駄目…。止めて…。」
真十は少し考える。
「あっ、そっか。警察よりも救急車の方が優先的か…。じゃあ今から救急車呼ぶから。」
「駄目…、それも駄目…。」
神奈はそれさえも拒否する。
真十は彼女に疑問を抱く。
「何で?」
「………。」
神奈は無言のまま通す。
「あたしの…家に連れてって…。」
真十は動揺する。
「病院は…?」
「別に…良いから…。」
「けど…。」
「お願い、家に連れてって…。」
真十は渋々了解する。
「別に良いけど…。」
神奈はフラつきながら頭を押さえてしんどそうに立ち上がる。
「ごめん、肩貸してくれる…?」
「あー分かった。」
真十はそう言うと、彼女の腕を自分の肩に回す。
「で…家どっち?」
神奈は指指して言う。
「あっち…。ずっと真っ直ぐ行ったら時期に着く…。」
真十は顔を赤くして、彼女に名前を聞く。
「えっと…、名前は…?」
神奈は少し動揺するが答える。
「…綾原…神奈…。」
「そっか…。」
「そっちは…?」
「あっ、えっと、神崎真十…。」
そして真十は彼女に肩を貸しながら歩き出す。
「あの綾原さん、頭大丈夫…なんかな…?」
「呼び捨てでも良いよ…。うん、ちょっとマシになった…。」
「そっか…。じゃあ、綾原…。」
「うん。」
真十は緊張しながら彼女に肩を貸して歩いている。
そして彼女の横顔をさり気無く見て、思う。
(やっぱり可愛い〜。すっげ〜可愛い〜。)
神奈は言う。
「ねえ、さっき助けに来てくれて…ありがとう…。」
真十は少し驚く。
「お、おう…。
嫌、全然良いよ…。全然平気だったし…。それより綾原もお腹、大丈夫か?」
「うん、平気…。」
それから暫く歩く。
「なあホントに大丈夫?どっか痛えとことかあったら…。」
「うん、大丈夫…。頭もさっきよりだいぶマシになって来たし…。」
真十は顔を赤くしていた。
彼の胸板に少しだけ神奈の小さい胸が当たっていた。
(ヤベヤベヤベヤベヤベヤベヤベヤベー…。当たってるって…、綾原の胸が当たってるってー!)
真十は興奮してしまう。
(うっわぁ、こりゃ駄目だ…。勃っちまったじゃねえか〜。
綾原の胸の感触が…。柔けえ…。)
神奈は彼に問う。
「どうしたの…?」
「嫌、何が?何もねえよ…。」
真十は誤魔化す。
「そう…。」
(暴露たら終わりだよな…。てか今から俺この子の家に行くんだよな…。って事は…まさか…まさか…‼
綾原とあんな事やこんな事が出来るんじゃねえよな〜!)
神奈はうつむいて言う。
「神崎…、今日の事は…忘れてくれない…?」
真十は急な話の展開に少し動揺する。
「え?」
(ま、んな訳ねえよな…。)
「だからさっきの事は忘れてくれない…。」
「何で?忘れろってどう言う意味?」
すると神奈は真十の顔を直視して言う。
「誰にも今日あった事は言わないでくれる?」
「え?あっでも警察には事情を説明しねえとなんないんじゃ…ないかな…?」
「警察にも秘密にしてくれる?」
「は?何で?」
「あたし警察嫌いだから…。」
「そう言われても…。どっちにしろこの事警察にはばれるんじゃ…。」
「大丈夫…。ばれない…。」
「けど何で?俺達は別に悪い事した訳でもねえのに…。」
神奈は深刻な顔で言う。
「大室とか言う奴…死んだでしょ?あれあたしがやったの…。」
「え?」
真十は動揺する。
「でもどうやって?あんとき何したの?」
神奈は言いづらそうに言う。
「今日の事絶対誰にも言わないって約束してくれるなら…教えてあげる…。」
真十はゴクンと息を飲む。
「ああ…分かった…。」
神奈は言う。
「あたし…超能力者なの…。」
「え?」
真十は緊張する。
「じゃあ…。」
「あたしは殺人犯…。奴等と何も変わらない…。」
真十は動揺する。


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