第一部 出会い-3
神奈と真十は宮内と大室に道を挟まれる。
大室は宮内に確認する。
「拓也ー、この女がターゲットなんだよなー?」
宮内はポケットから一枚の写真を取り出して答える。
「あー間違いない、こいつがターゲット。」
彼の写真には神奈の顔が写っていた。
真十は大室の『ターゲット』と言う言葉に疑問を持つ。
「ターゲット?」
神奈は答える。
「狙われてるって事よ…。」
「嘘…だろ…。」
「少なくともあんたは狙われてないかも知れない…。」
「え?」
「あいつ等はあたしをターゲットって言った。だからあたしが元々の狙い…。
あんたが巻き込まれる事はないの…。分かる?」
「えっ、ああ…。」
大室は首をボキボキと鳴らし、言う。
「オッケー、神奈ちゃん殺し…、じゃあ始めますか!」
宮内はそれに賛同する。
「人が来たら面倒だからさっさと消すよ…。」
「おっし、バットでスカっと一発決めとくか〜?」
大室は神奈と真十にゆっくり近付く。
神奈は真十に言う。
「あんたは今からこっから走って警察連れて来て。」
「お前はどうすんだよ?大体そんな簡単に…。」
「大丈夫…、あたしがあいつ等を足止めしとく…。その間にあんたはそれを実行して。」
真十は動揺する。