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DEATH
【SF その他小説】

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第一部 出会い-2

生徒達は拍手する。
真十は自己紹介を終えると、席に座り、神奈の後ろ姿を見る。
そしてそれから暫くしてから速水の番が来る。
速水は席を立ち、言う。
「名前は速水直也(はやみなおや)…。一年間宜しくお願いします。」
真十は内心で思う。
(こぇー奴だなー。こう言うのはあんま関わんねえ方が賢いんだよなー。)
そして次に関西弁の少女の番が来る。
彼女は大声で元気一杯に言う。
「ウチの名前は藤咲奈緒(ふじさきなお)です。一年間やけど皆よろしゅうね〜!後、関西弁なんは御構い無しに〜。」
彼女の軽い言葉にクラスで笑いが起こる。
真十は内心で思う。
(明るい子だな〜。直ぐに友達が出来るタイプか…。まっそれにあんだけ可愛けりゃあんま不満はねえだろうよ…。)
やがて自己紹介は終わり、時が経ち、昼頃、生徒達は解散する。
真十は生徒達が大勢通る門を通り抜け、腕時計を見て思う。
(結構早く終わったな。明日は土曜日だし、次は月曜日か…。)
そして暫く桜の木々が並ぶ道を歩き、駅に入り、電車に乗り、ドア側に持たれる。
電車出発の音が流れる。
すると次の瞬間、神奈が真十のいる車両に乗り込んで来る。
真十は一瞬目を疑う。
ドアが閉まり、神奈は一瞬彼を見るが、気にせずに閉まったばかりのドアに持たれて、黒い携帯電話(iPhone)を触り出す。
真十は内心で驚いていた。
(嘘っ、さっきの子だ…。何で同じ車両に?あの子もこっち方面なんかな?)
神奈は耳にイヤホンを付け、音楽を聞き始める。
真十はその彼女を見て思う。
(うわぁーやっぱり可愛い子だなー。ショートがすっげー似合ってる…。どこに住んでんのかなー。)
暫くして、真十の地元である短落町(たんらくちょう)に着く。
真十は降りようとするが、その前に目の前にいた神奈が先に降りる。
真十は彼女も自分と同じ短落町の人間だと理解する。
(ってここ、短落じゃん…。)
真十は驚きながら神奈の少し後ろについて、改札口を出て、階段を下りながら思う。
(ってオイオイオイ、マジでこの子、俺と同じ所に住んでんじゃん…。今日の俺マジでついてるって。)
真十は階段を下りながら少し前に下っている神奈の太ももを見て、興奮する。
(うへぇ〜、綺麗な足してんなー。あの太もも一回で良いから触ってみて〜。)
階段を下り終え、神奈から少し後ろに距離を置き、彼女をつけて行く。
神奈はイヤホンを両耳に刺し、ポケットに両手を入れながら真十の存在に全く気付かずに歩いている。
しかし彼女は途中で道を曲がる。
真十は焦って、小走りし、彼女の入った道に入る。
(ここ、ちょっと違うんだけどな〜…。けどこっかも帰れるし、まあいっか。)
その道は一本道でひと気が無く、狭い路地であった。
神奈は音楽を聞いているせいか後ろの真十には全く気付いていない様子であった。
真十は内心で思う。
(これってやっぱ…ストーカー行為なんじゃ…?止めた方が良いんかな…。
っでも俺はこっからでも家に帰れるし、良いよな、別に…。唯、家に帰るだけだもんな。)
それから少し彼女に付いて行く。
(どこの中学だったんだろ?北浜中かな…?)
その瞬間、突然神奈は立ち止まり、イヤホンを外し、真十に振り向き、言う。
「アンタっ、さっきから何?」
真十は緊張して答える。
「えっ…、嫌…別に何も…。」
神奈は強気に彼に問い詰める。
「さっきからあたしをつけて来てたでしょ?」
「嫌、そんな事してねえって…。」
「じゃあ何であたしがさっきこの道入った時、走ってこっちに来たの?」
「嫌っ、だから…。」
(うっそ…、この子実は気付いてたのかよ、俺の事…。しかも走ったのばれてんじゃん…。)
「もしかしてあんた、ストーカー?」
真十は慌てて否定する。
「ち、ちげぇってば…。たまたまだって、たまたま同じとこ通ってただけだって…。
だから別にストーカーとかそんな怪しい奴じゃねえし…。」
「本当?それなら別に良いけど…。
その代わり、あたしより先に行って…。」
カランカランッ
前方かた金属バットを引きずる音が聞こえる。
神奈はその音に反応し、前方に振り返る。
そこには金属バットを肩に引きずる金髪の目付きの悪い少年がいた。
少年(宮内拓也(みやうちたくや))は言う。
「名前…綾原…神奈だよね〜?」
真十は動揺する。
宮内は金属バットを振り上げ、肩に掛ける。
神奈は答える。
「誰?」
「こっちは質問してんだからちゃんと答えてよ…。
綾原神奈だよね、お前?」
「だったら…どうするの?」
宮内はニヤリと笑い言う。
「殺す。」
真十は神奈に問う。
「な…なあ…あいつ知り合いか…?何かバット持ってるけど…。」
神奈は答える。
「そんな訳ないでしょ…。あんな危ない奴なんか知らない。」
「じゃ、じゃあ誰?」
「知らないってば。」
宮内は言う。
「ねえそいつは誰?彼氏とか?」
「な訳ないでしょ。」
真十は内心でショックを受ける。
(そ、そうだよな〜…。)
神奈は真十に言う。
「ストーカー、今直ぐ走って、警察呼んで来て。
コイツ頭イかれてる見たいだから。」
真十は動揺する。
「えっけど…。」
神奈は真十に振り返って怒鳴る。
「良いから早く呼んで来い!」
真十は慌てて後ろから走って行こうとする。
「おっ、おう。」
しかし真十は立ち止まる。
神奈は彼に言う。
「何してんの、良いから早く…。」
真十の前には、もう一人金属バットを持った男(大室和太(おおむろかずた))が威厳を出して、立っていた。
大室は不気味に微笑して言う。
「目撃者か…。生きて返す訳には行かねえなー。」
神奈は彼を確認して宮内に問う。
「二人連れて来た訳?」
真十は恐怖心を隠せない状態で神奈に近付く。
宮内は答える。
「あー二人だけ…。」



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