和也が求めるなら何だってするぞ?-4
「んっ………… か、和也…… あっ………… はぁ…………」
吐息交じりの甘い声が僕の欲望を掻き立てる。
いつもなら、寮生相手のカウンセリングなら、
ここで理性を失わないようにしっかりと意識を保つのだけれど…………
「秋子さん相手に我慢なんてしなくていいんですよね?」
「んっ………… が、我慢?」
「あ、いえ…… 今日カウンセリングで風音ちゃんとそういう話題になって…………」
みんな我慢が足りないんです!────思わず僕は風音の言葉を思い出した。
結局あれはどういう意味だったんだろう。
言葉通り、忍耐の無さを蔑む意味だったのだろうか?
けれど風音ちゃんもまたこの寮にいる時点でその厳しさを知っているだろうに、
どうにも僕にはその言葉の真意がいまだ理解出来ずにいるのだ。
「むぅ………… こんな時に君は何を考えているんだ?」
「えっ? あ、すいませ………… いててっ」
「仕事熱心なのは良いことだが…………
私をこんな状態にしておいて他の女の事を考えるというのはいささか感心出来んな」
「他の女って………… あれ? もしかして秋子さん妬いて…… いてててっ!!!」
いつもは何を考えているのかわからないくらいに無表情な秋子さんが、
珍しく口を尖らせあからさまに不機嫌になった。
いや、確かにこんな時に他の女性の話をするのは普通に駄目な事なんだけど、
まさかあの秋子さんが嫉妬だなんて、
ひょっとして、いやひょっとしなくても初めての事じゃないだろうか。
「…………君は何を思ってここをこんなにしてるんだ?」
「え? そ、それはもちろん秋子さんを…………」
「本当にか? ひょっとしていつも他の女を思いながら…………」
「ま、まさかっ!? 何言ってるんですかいまさらっ!?」
思いもよらぬ秋子さんの言動に慌てる僕。
そりゃ昼間に色々あったから、抑えつけていたものが溜まっているのは事実だけれど、
秋子さんといる時に秋子さん以外の事を想像しながらなんていくらなんでもありえない。
「ご、ごめんなさい変な事言っちゃって………… でもっ 本当に僕は…………」
「いや、もういい その………… 少し大人げなかった…………」
「そんなっ…… 秋子さんが悪いわけじゃなくてっ その……」
すっかり気まずい雰囲気にのまれる二人。
いや、そもそも僕がいけないのだ。
いくら気になっていたからって、
こんな時にまで風音ちゃんの事を考えてしまうなんて…………
「…………って秋子さん??? な、何をっ…………」
しょんぼりと肩を落とす僕をよそに、
いつの間にか体を下げズボンを脱がしはじめる秋子さん。
「ちょっ、どうしたんですか? ま、待ってくださいよっ…………」
抵抗虚しくあっさり下着まで脱がされてしまった僕は、
すっかり頭を垂れ、意気消沈した状態のアレを秋子さんの目に晒してしまう。
「すまない………… 私が余計な事を言ってしまったばかりにこんな…………」
「い、いやいやいやっ そんな真剣な目で言われてもっ」
申し訳なさそうに二本の指先で僕のそれを擦りあげる秋子さん。
けれども流石にこんな状況では簡単に元気になるわけもなく、
僕はなんとも無様な状態のまま、しばらくその体勢から動けなくなっていた。