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太陽が眩しかったから
【痴漢/痴女 官能小説】

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邂逅-1

 窓から黄色い日差しが照りこんできます。春の早朝の電車は、新たな生活環境に向かう人でいっぱい。スーツ姿の男の人や、私のように遠い学校へと向かう学生が、狭い空間に詰め込まれています。

 朝、私はいつもこの電車で1時間以上も揺られています。遠い学校に通うのは疲れますが、乗換なしで行けるところは楽でいいなと思います。乗客が多くて車内は少し熱っぽく、熱い太陽光にも照らされて、扉の前で窮屈に立っている私は、うっすらと首筋に汗をかいてしまうほどでした。
 すべてが普段通りでした。ですが、今日は物理の授業があって嫌だなぁ、なんて考えていたそのときのことです。ピカッと太陽が光って、思わず目がくらんだのと同時に、私の忘れられない一日が始まりを告げたのです。

 カバンとかが当たっているわけではありません。そういった無機質な物体ではなく、暖かさのあるものが、私のお尻の形に合わせてそっと触れていたのです。

 私は顔をしかめました。おそらく痴漢だろうという予感を抱きつつ、その手がこのあとどうするのか、とりあえず様子を見ておこうと思いました。しかし、3分ほど経っても手が動く気配はありませんでした。何か肩すかしをくらったようで、もしかしたら、知らぬ間にただ当たってしまっているだけなのかもしれないとも考えました。

 そう油断して身体の緊張を少し落とした瞬間、手が動き、私の右のお尻をぎゅっと握ったのです。驚いて、思わず小さく「ひっ…」と声が出てしまいました。その怯えた声が聞こえたのかもしれません。気の小さい女だと思われたのかして、それから男の手は止まることなく動き続けました。

 一定のテンポを刻むように、私のお尻を揉むゴツゴツした手。固い生地のジーパンの上から、揉むたびに指がお尻の割れ目に食い込んできます。私はピチッとした服が好きで、今日のジーパンも割とキツめのものを穿いていたのですが、その生地をグイグイと押し込みながら指が侵入してきます。
 ついに、布ごしに指が一番奥の肛門あたりまで達しました。想像以上に大胆なことをしてくる痴漢に、私は狼狽して何もアクションをとれませんでした。
 それからも執拗にお尻を揉みしだかれました。見知らぬ誰かの意思で動く手が、何か自分の手には負えない不気味な怪物のように思えました。

 しばらく私がうつむいたまま黙り込んでいると、味をしめたのか、わきからもう片方の手が伸びてきました。ターゲットは私の胸。背中に男が密着したのを感じ、心臓の鼓動がさらに速くなりました。
 同じリズムで動く両手。それに合わせて形を変えられる私の尻と胸。羞恥心と恐怖感で身体が熱くなり、顔が紅潮しているのが自分でも分かりました。耳まで真っ赤になっていたと思います。

 それからはなすがままにされていました。撫でるようにお尻をさするのも、強く胸を鷲づかみにするのも、指先で軽く尻肉をつままれるのも、プルプルと胸を小さく揺すられるのも、すべて男の思うがままでした。

 さすがに我慢していられなくなったのは、男の右手が私のジーパンのベルトをいじり始めたときでした。片手で手際よく、ベルトを緩めてジーパンのホックを外してしまったのです。
 私は驚いて、少し身体をよじりながら「やめてください…」と小声で言いました。振り返って男の顔を見ることはできませんでしたが、耳元に男の吐息がかかったので顔の位置は分かりました。

 「うるせぇ…」
 私だけが聞き取れるほどの声で、男はそう言いました。その反応に少し胸の不安が増し、つい黙りこくってしまいたくなりました。それでも、さすがにこれ以上は見逃すわけにはいかないと思い、再び私は男に語りかけました。

 「うるさいって、痴漢は犯罪ですよ。もうやめてください」
 少し口調を強めたつもりだったのですが、男はちっともひるんだ様子もなく、私に「黙ってろ」と脅しをかけてきました。恐怖心で胸がいっぱいになりました。もう耐えられないと思い、恥ずかしいけど大声を出してやろうと息を吸った瞬間、胸を弄んでいた男の左手が私の口を塞いでしまいました。

 「声出すんじゃねぇよ…痛い目にあわすぞ…」
顔がひきつったのを今でも覚えています。今まで痴漢被害にあったことのない私は、このとき想像以上に痴漢が怖いものだと知りました。一気に威勢を削がれた私は、口を塞がれたまま鼻で息をし、身体がすくんで動かないのをもどかしく思うことしかできませんでした。




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