相変わらず君は罪な男だな-9
「最後は………… 正常位がいいんですよね?」
「そ、そんな事まで? んっ…… どこまで君は…… あっ…………」
「言ったでしょ? やるからには最高の快楽を与えてあげたいって」
「な、ならっ この堅いのを入れてくれるのが………… 私は一番…………」
「それは駄目です。それだけは本当に我慢してください…………」
「ま、また我慢か………… んっ………… わ、私はもうっ…………
はぁっ………… が、我慢なんて出来そうも無いんだけど………… んっ……」
そう言って美咲さんは僕の背中へと両手を回すと、
両足を大きく拡げたまま激しく腰を振りはじめた。
「あっ…… 和也っ………… んっ…… 指を…… もっと奥まで…………」
「こう………… ですか?」
「んぁっ………… そ、そう………… もっと前後に………… あぁっ…………」
「いいですよ………… もう我慢なんてしないでも…………」
「んっ…… こうしてると………… まるで和也と………… あっ……」
両足をギュッと僕の腰に巻き付けたかと思うと、
小刻みにその体を揺らしながら僕を見つめる美咲さん。
誘うようなその瞳に僕が思わず唇を重ねると、
まるで声を押し殺すように息を飲みながら、
美咲さんは僕の腕の中で静かに果てていった。
「はぁ…… まったくこれじゃ………… はぁ……
どちらがカウンセリングしてるのか…… はぁ…… わからないじゃない…………」
「あはは、だって途中から美咲さんがカウンセリングを求めてきたじゃないですか」
僕が笑いながらそう言うと、美咲さんもまた笑顔で微笑みながら、
まるでついばむように何度も僕の頬にキスを繰り返す美咲さん。
「君が………… 先輩のものじゃなければなぁ…………」
「ん? どうしました?」
「ううん………… 相変わらず君は罪な男だなと思ってね…………」
「えぇっ! こんな頑張ってる僕の何が罪なんですかっ?」
目を見開き、心底不思議そうな顔で僕が美咲さんを覗き込むと、
もう一度、今度はちょっと大人のキスをしては苦笑いをする美咲さん。
「ともかく、少しは君の役に立つ意見は出来たかな?」
「あ、はいっ…… 少なくとも簡単に割り切れるものでは無いという事くらいは……」
「まあ、誰の事で悩んでるかまでは聞かないけど、
寮生の面子を想像するにそのクランケは、
ひょとするともっと根本的な部分で我慢をしてるのかもしれないわね?」
「根本的な部分で我慢を………… ですか?」
「ええ、この寮で生活している以上、その手の悩みがあるのは間違い無いもの。
けれど必ずしも誰もが自分の性癖に向かい合えているとは限らないのよ?」
美咲さんは意味深にそう呟くと、少し神妙な顔でじっと僕を見つめた。